街興しの朝市へ

漁港で朝市が開かれているとのことで、物見遊山で散歩がてらに行ってみた。最近は街興しを目的に各地でイベントが華盛りだ。この街でも幾つかのイベントが行われている。時代の流れに取り残されるのも癪だから、一つくらいは参加してみようと思ったのだ。漁港の市場の中に、魚貝だけでなく、地元野菜、お菓子、パン、佃煮、ジェラート、ピザなどが出店している。地元では有名な店ばかりだ。規模は小さいが人だかりはある。誰しも地産地消に拘っているようだ。我が家もアサリと佃煮と小松菜とパンを買った。この漁港はスズキの水揚げで有名だ。だが朝市にはスズキはなく「清子」という魚が売られていた。キヨコとかセイシという魚は聞いたことがないし、捌くのも大変なので買うのは止めた。帰り道でカミサンとの会話でスズキが話題になった。スズキは出世魚で、セイゴ、フッコ、スズキへと名前が変わる。子供の頃よくセイゴを釣ったものだと話した途端「清子」はセイゴと読むのだと気が付いた。家に帰ってから辞書で調べるとセイゴは魚偏に袴の旁からなる漢字だったので、「清子」は当て字ではあるが、漁師がセイゴを愛おしく思う気持ちが伝わり、何となくほのぼのとした気持ちになった。持ち帰ったアサリは味噌汁の具にしたが大粒で身がプリプリで、殊の外美味かった。イベントで街への応援団が増えることを実感した次第。