一事が万事のソニー戦略

ソニーが半世紀前の創業以来初めて無配に陥った。平井社長が就任してから、不動産を売り尽くし、デジカメ工場を閉鎖しパソコン事業を売却しテレビ事業も分社化し、なりふり構わず今まで築いてきた資産を投げ売ってきた。しかも技術のソニーが、優秀な技術屋をも放出してしまった。これが最大の問題だ。ぜい肉をそぎ落とすだけでなく脳みそまでも切り落としてしまった。これから咲くかもしれない芽も摘みとってしまったのだ。そして挙げ句の果てに成長戦略の柱に据えたのがスマホ事業だ。しかしスマホには強力なアップルもいるしサムスンもいる。それとは互角に戦えるとしても、最大の敵は中国の安物スマホだ。この手の商品は市場が成熟し始めると必ず安物に駆逐されるのが常。スマホで戦うと言う以上、対安物戦略ありきのはずだ。ところが赤字拡大の要因は安物の台頭だと言う。それではスマホ戦略とは一体何だったのだろうか。戦略の無さに開いた口が塞がらない。一事が万事。成長戦略を描けないトップには退場の道しか残されていない。