デング熱とやぶ蚊とヒト

代々木公園から始まったデング熱が、15都道府県に拡がり88人も発症患者が出ている。当初の報道では、デング熱は、おそらく東南アジア方面から国内に持ち込まれた物に、ウイルスに感染したヒトスジシマカが紛れ込んできたのだろうとのことだった。そのヒトスジシマカを撲滅するために代々木公園の一部へ集中的に駆除剤が撒かれた。ヒトスジシマカさえ殺せば収束するように言われていたが、果たしてその対処は正しかったのだろうか、疑問になってきた。デング熱は蚊を媒介して感染する。ヒトスジシマカとは特殊な蚊のように報道されているが、所謂やぶ蚊で何処にでもいる蚊だ。そうであれば、今の感染の拡がり具合を考慮すると、まずデング熱の感染者が海外から代々木公園に来て、やぶ蚊に刺され、そのやぶ蚊が感染してから他の人を刺して感染させたと見るべきだろう。やぶ蚊の行動範囲は100mもなく狭いが、人の行動範囲は広い。15都道府県にも拡がったことにも合点がいく。当面の正しい対処法としては、感染者が蚊に刺された場所を集中的に駆除することと、発症者がいる場所を駆除することと、発症者を蚊から隔離することと、全ての人が蚊に刺されないよう防御することになるはずだ。抜本的対策としてデング熱を予防するワクチンの早期実用化を願いたい。残念ながら取りあえずは虫よけスプレーに頼るしかあるまい。