不安だらけの教育界

静岡県知事が全国学力テストの結果の一部を県教育委員会の同意なしに公表したことに対し、下村文科相は来年度同じ行為があればその県には結果を伝えない罰則を作るとコメントした。何か変だ。文科省は今まで非公表にしてきた全国学力テスト結果を今年から公表してもよいことにした。但し傘下の教育委員会がOKすればという足枷付きだ。今のところ公表に踏み切る教育委員会は皆無。そこで静岡県知事が教育委員会の同意なしに成績の良い部分を公表した。これに反応して文科相はルール違反の抑止策を作ると明言。来年教育委員会の同意なしに公表した県には、その後の全国学力テストの結果を教えてあげないという。問題点は2つある。一つは、教えてあげない、という行為そのもの。一体何の為のテストだったのだろうか。子供の喧嘩ではあるまいし、程度が低すぎる。もう一つは、文科省の体質。世論に押され文科省としては公表せざるを得なくなったが、傘下の教育委員会を盾にして非公表に拘っていることだ。教育委員会から見れば公表は身内の能力を曝すようなもの。身内である校長たちが猛反対している。保身のために結果を公表しないのは真の教育者の行為とはいえない。文科相も見識に欠ける。日本の教育界は不安だらけだ。頑張れ静岡県知事。