紫陽花あれこれ

先日久し振りに義母のお茶会の勉強会に参加した。とは言っても肉離れをした脹脛のしこりがまだ取れないので正座が出来ない。点前は出来なかったが、花を活けた後、胡坐をかきながら濃茶とお菓子をいただいた。この時期は茶室に似合う野花が豊富だ。自分は緋扇と紫陽花を選んで活けてみた。出来栄えに殊の外満足した。小さな紫陽花が何とも可憐に見えた。そんな折カミサンから紫陽花を見に行こうとの誘いがあった。まだ一度も行ったことのない紫陽花で有名な宗吾霊堂に行くことにした。ネットで調べると、宗吾霊堂には7千株もの紫陽花があり、中でも柏葉紫陽花が千株以上植えられていることで有名とのこと。宗吾霊堂の入口には「6月29日まで紫陽花祭り」の大きな立て看板があり、その横に「大雪の影響で今年の花付きは良くありません」との小さな札が申し訳なさそうにぶら下がっていた。確かに紫陽花は疎らで痛々しげだ。柏葉紫陽花は花が柏の葉のような形をしていて真っ白。紫陽花には色々な種類があるが、柏葉紫陽花を見たのは初めてなので、紫陽花の奥の深さを感じた。災害はすぐ忘れてしまう。この冬の大雪で我が家の生け垣や植木も被害を受けた。忘れていた大雪を紫陽花が思い出させてくれた。自然は素直だ。優しく労われば咲き誇り、粗末に扱えば荒れてしまう。「地球に優しく」という言葉を思い起こさせる紫陽花の季節であった。