天敵の活用法

ダニと言うと、他人の稼ぎを巻き上げて生活する「社会のダニ」というイメージが湧いてくる。ダニは、実際喰われると痒くなるし、アレルギーを起こしたり、死骸はシックハウスの原因にもなる厄介な生き物だ。ところがダニの中には人様の役に立つものもいるようだ。ハウス苺の害虫であるハダニを駆除するには一般的に農薬が使われている。その農薬の代わりにチリカブリダニを散布すると、チリカブリダニがハダニを食べる。そして食べ尽くしてしまうと餓死してしまうので苺にも周辺環境への影響がない。農薬に較べコストは同程度だが作業は3分の1に減り、しかも無農薬を謳い文句に出来るメリットがあるとのこと。千葉市と千葉大がそれ以外の作物でも天敵昆虫による害虫駆除の研究開発をしているようだ。人にとって毒となる農薬は使わないに越したことはない。人工的に無理やり力尽くで捻じ曲げるより、自然の力を見直して活用することこそ、自然回帰の本道なのだろうと思う。農薬を使わない苺は誰にとっても優しい果物だ。