獺という字が意味するもの

日経ビジネスに「大人気の日本酒「獺祭」を好きなだけ飲めるようにする方法」という記事が載っていた。獺という字を初めて見た。何と読むのだろう、どういう意味だろうかと思い、辞書で調べてみた。獺とは「だつ」と読みカワウソの異名とのこと。獺祭は「だっさい」と読むらしい。こんなことがきっかけで興味を持ち記事を読んでみた。獺祭は、超人気の純米大吟醸酒で入荷と同時に売り切れるとのこと。原料のコメは山田錦のみを使用し、8割近くも磨いた芯の部分だけを使用するので雑味がない。1本3万円もするが、フルーティーな香りとすっきりした飲み口が受け富裕層を中心にファンを増やしているという。生産能力を3倍に増強中だが、肝心の山田錦の供給量が追いつかない。増強後は山田錦が20万俵必要となるが、日本の全生産量が30万俵しかない。山田錦は他の酒造メーカーも使うので20万俵は賄えない。そのため供給農家を探しているという。獺祭を醸造している旭酒造は、薄利多売のビジネスモデルから高付加価値品でブランド化する戦略転換に成功し、この30年間で売り上げが40倍の39億円に伸び、営業利益率は約13%もあるという。社長は、山田錦の供給不足の原因は、生産調整を続けてきた農林水産省の失策で「TPPで農家が潰れる」と言う前に、付加価値が高く、高く売れて、需要も確実にある山田錦を増産してほしい、と指摘要望している。山田錦を作れば農家も潤う。オバマ来日でコメの関税が大幅に下がりそうだが、やりようによっては日本の農業の未来は決して暗くはない事例の一つに違いない。