季節の移ろい:春

季節の移ろいは早い。特に春先は顕著だ。枯れ木だらけだった景色が梅と桜に変わったと思ったのも束の間、あっという間に通り過ぎ藤や花水木が綺麗に咲きだした。柿の葉の透き通った黄緑色が、まさに新緑の季節が来たことを告げているように感じる。我が家に来る鳥も変わってきた。梅の頃までは餌台のミカンやリンゴを食べに来たメジロが、桜の開花と共にばったりとご無沙汰になった。最近まで毎日来ていたヒヨドリもここ数日は見かけなくなった。多分子育ての為主食を虫に変えたのだろう。スズメだけは相変わらず毎日やって来る。今までの鳥の鳴き声は、ピーピー、チッチッ、チュンチュンとか舌打ちを繰り返すようなリズム系だったが、突然メロディ系が現れた。ウグイスだ。ウグイスの声帯はどう違うのだろうかと考えてしまう程異質に感じる。ウグイスはウグイス色ではない。声はすれど姿は見えずで見つけにくい。梅にウグイスと言うが、実際は藤にウグイスだ。ウグイスほど実態と違う鳥はいないように思う。その誤解を晴らすため鳴き声で一段とアピールしているのかもしれない。