スポーツ選手にとって大学とは

日経朝刊の社会面見開きに対照的な記事が載っていた。片や筑波大大学院で体育学を研究することにした元プロ野球選手の工藤、吉井、仁志の入学式。もう一方は、単位不足の選手は対外試合出場や練習参加を禁止するプログラムを導入する早大体育部。導入の理由は4年間できちんと卒業出来るようにするためという。情けない限りだ。大学生は既に大人だ。大学生が人並みに生活を送るために最低でもしなければならないことは単位の取得だ。それを手取り足取りして単位を取らせれば、増々何も出来ない木偶の坊になってしまう。早大は学生の幼児化と質の低下を進めているように見える。それに較べ社会人は大学を上手く活用するようになった。元巨人の桑田は野球理論検証のため東大大学院に入学し、水泳の鈴木大地は博士課程を経て准教授になり、ハンマー投げの室伏はハンマー投げ理論で博士号を取得した。社会人が一度社会を経験した後に、大学で学び直し研究することのメリットは大きい。経験が理論化されて増々経験が生かされてくるし、本人も人間的に成長出来る。同じ大学に関する記事でありながら、片方は社会人を大人化させ、もう片方は現役学生を幼児化させる。その対照的な内容が今の世相を物語っているようだ。