健康な人とは

自分は特に持病もないのだが、健診の度に何項目かがひっかかる。高血圧と総コレステロールと中性脂肪。その度に、カミサンの一言が我が身に襲来する。煩わしいが、極普通の健康体だと思っているので、基準値自体がおかしいと感じていた。今日、日本人間ドッグ学会と健康保険組合連合会が新たな「健康な人」の基準値を発表した。癌の既往歴がなく、高血圧や糖尿病の薬を服用せず、喫煙習慣などのない超健康人を基に検査項目の基準値を決めたとのこと。それによると、血圧は129~84が147~94に、中性脂肪は30~149が39~198に、ガンマGTPが0~50が12~84に変更されることになる。従って自分は一日にして何もせずに健康人の仲間入りが出来ることになる。目出度し、目出度し。そこで、今までの基準値は何だったのだろうかという疑問が湧きあがってくる。一つの検査項目につき、分布の上下数%を外すという基準を決める従来の方法は、健康であるということとは無縁で、単に統計的な結果に過ぎない。要は統計的に異常ですと言っているだけだ。この方法の最大の欠点は、本来健康な人を、病人に仕立て上げてしまうことに尽きる。従来基準の健診は健康な人をも病持ちにしてしまうが、この新しい基準は健康な人を健康な状態と判断する。優れている。と言うか、健康とは何かを問う一石を投げかけ、当たり前だが画期的な基準になるに違いないと確信させる。国は国民を健康にしたいのだろうか、はたまた不健康にしたいのだろうか、と考えさせられる新健康基準値である。