マスコミの五輪祭り

W杯で一度も表彰台を外したことのない高梨選手の金メダルが本命視されていたが、残念ながら4位に終わった。本人の帰国後の第一声は「申し訳ない気持ちでいっぱい。精神面も磨いてレベルアップしたい」と。やはり五輪の舞台は他とは違い特別で魔物が住んでいるのだ、と言うが本当のそうなのだろうか。確かに実力通りの力を発揮出来なかったのだから、相当な重圧があったのは間違いない。果たしてその重圧はどこから来たのだろうか。五輪の舞台なのか国民の期待なのか。競技前のマスコミは賑やかだ。特にワイドショーは誰それは金、彼それはメダル確実と囃し立てる。毎度のことだが、競技が始まると次々と討死したものが折り重なり、大幅に期待に反した結果で終わることになる。ワイドショーは実力以上に選手を持ち上げる。世界で二流の選手を鼓舞する意味で持ち上げるのは、偶には良い結果を出すこともあるかもしれない。しかし世界の超一流選手に金メダル確実の期待をかけることは、酷だ。必要以上の重圧を与えるだけに過ぎない。五輪舞台の魔物とは、ワイドショーの軽薄さと無責任さが創り出したものに違いない。いつもこの時期になると、一流選手の平常心を維持させる良質なテレビ番組はないものかと思う。