都知事選の評価

都知事選は前評判の通り舛添の圧勝で終わった。主な4人の候補の中で、都知事という地位に就きたいという上昇志向の願望が一番ギラギラしていたのが舛添だったが、思考のバランスや実務能力からみて舛添が妥当な線ではあったと思う。他の3人は、主張はするものの、淡々としていて地位への執着はなかったように見えた。元首相たちが脱原発を旗印に掲げたことは、負けたものの一定の成果を出したようだ。今原発に歯止めをかけなければ自民の原発派が息を吹き返し昔のやりたい放題に戻ってしまう。原発再稼働とはいえ暫時収束の方向性への道筋が見えたことは大きな成果だ。弁護士は弱者救済を、自衛隊幹部は安全を訴えたが、これも今後の政策に影響を与える効果があったと思う。後の残りの候補者たちは、単なる売名行為をしただけの薄っぺらな人間にしか見えなかった。惜しむらくは都政について4人の具体的議論がなかったことだ。都民という聴衆を無視して自説だけを叫んで終わった選挙なので、点をつければ40点というところだろう。学生ならば赤点だから全員落第で留年か。