ダイヤモンドダスト

久し振りに雪景色の朝を迎えた。屋根は真っ白だが道路には積もっていない。朝日が眩しく風が時折強く吹いている。鳥の餌台の上には氷が張っていて、その上に細かく氷になった雪が積もっている。それを払って餌を置くと、待ちかねていたかのようにミカンにはメジロ、小鳥の餌にはスズメがやって来た。通りでは通学途中の子供たちが雪玉を作り投げ合って遊んでいる。しかし雪玉は投げると同時にパッと煙のように壊れてしまい、雪合戦が出来ないことを楽しんでいるようだ。時折強い風が吹くと、屋根に積もった雪が舞いあがる。あたかも水族館の鰯の群れのように右に左に空一面キラキラと舞い踊っている。とても綺麗だ。暫らく時間を忘れて眺めていた。何か幸せを感じた。まるでダイヤモンドダストのように見える。生まれて初めて見た。しかも海に近い関東平野で。雪が積もると綺麗だが後始末が厄介だというイメージの方が強かった。だがダイヤモンドダストに良く似たスペクタクルの楽しみもあることを知った。雪も捨てたもんじゃない。