老化は指先から

自分は将棋観戦が好きだ。今年のNHK杯は録画して全て観たほどだ。今日は将棋の日ということでNHK杯の放送はなく特別番組だった。森内名人対羽生三冠の対局は見応えがあったが、その前に行われたプロ&小学生のペア対局が面白かった。いつもNHK杯対局を観ていて感心するのは、勿論その内容にあるのだが同時にプロの駒の手捌きだ。自分が駒をいじると右を向いたり左をみたり、酷い時はマス目からはみ出してしまう。だがプロは鮮やかな手つきでマス目の中の正確な位置に駒を進める。当然プロなる所以と思っていた。ところが、プロ並みの小学生は手つきは良いが駒がマス目に収まらない。必ず左斜めを向いてマス目を飛び出してしまう。小学生は粗雑なのだろうかと思ったが、そうではない。駒が指に吸い付いてしまっているようだ。年寄りの指先は乾いてガサガサだが、小学生の指先はしっとりしていて柔軟だからなのかもしれない。そういえば最近新聞を捲るとき指を舐めないとページを括り難くなってきた。老化は指先から始まるのかもしれない。