センスのない作家の言い訳

都議会の総務委員会で猪瀬が吊し上げられている。猪瀬には普段の傲慢な態度が見られず、まるで借りてきた猫のようだ。作家らしく、言い始めは「私は特に覚えておりませんが」という枕詞を使っているが、多用のし過ぎで語彙が貧弱だ。どうせ覚えていないと言うのならば、ロッキード事件重要参考人の小佐野賢治のように「記憶にございません」を連発した方が開き直っていてスッキリするのだが。猫になっても疑惑は増々深まるばかりになることが分からないようだ。借用書の存在について「これは間違いない事実です」と言うと「これは間違いなくねつ造です」と聞こえる。また都が徳洲会に便宜を図っていたことについて「恥ずかしながら知らなかった」と言うと「知り尽くしてました」と聞こえる。馬鹿を通してこの難関を切り抜けようとしているようだ。学生時代は新左翼でバリケードを築き、不惑の年から新右翼の大物と交流するという人生は無思想無節操といえる。5000万円の言い訳が余りにも幼稚過ぎる。作家としてのイマジネーションや構成力を疑う前に、人並みの常識があるのかを疑ってしまう。権力などにしがみ付かず、作家の勉強を一からやり直した方が良い人生が送れると思うのだが。