浮世国会 大太刀法案

最近のある事で、落語の「浮世床 変な軍記」を思い出した。「変な軍記」の粗筋は以下の通り。姉川の合戦で五尺三寸の大太刀を振るって活躍した真柄十郎左衛門を書いてある太閤記を読んでいた吉公に、周りの人たちが読んでくれと頼む。「真柄は立ち向かって一尺八寸の大刀を」「オイオイ、一尺八寸のどこが大刀だよ?」「そこは但し書きが書いてある『一尺八寸とは刀の横幅なり』」「馬鹿! そんな戸板みたいな刀があるかい!第一、前が見えないだろ?」「そこはもう一つ但し書き。『刀には窓が付いていて、敵が来たらそこから覗く』」。最近のある事とは、特定秘密保護法案の審議内容だ。採決間近に来て新造語のオンパレードだ。秘密指定の基準がないと言われ「情報保全諮問会議」、解除の基準がないと言われ「情報保全監視委員会」、公文書の破棄の可否を判断する機能がないと言われ「独立公文書管理監」を設置すると言い出した。特定秘密保護法案は国民にとって極めて重要な法律であるのに、余りにも杜撰すぎる。継続審議か廃案にすべきだろう。もし成立すれば「浮世国会 大太刀法案」という落語の新作が誕生するかもしれない。