五輪で変わる日本の文化

日経夕刊に載っていた「TOKYOオリンピック物語」の著者野地さんの記事が面白かった。オリンピックのことだけでなくオリンピックが日本文化を変えたことも書いたとのこと。半世紀前の東京五輪をきっかけに新幹線や高速道路が出来たことは知っていたが、そんなものではないらしい。五輪をきっかけにそれ以降に確立したものは、日本人が時間を守ること、団体行動が上手いこと、民間警備、大量調理システム、競技結果のリアルタイム集計等々。大量調理システムはその後ファミレスなどの外食産業に繋がっていき、競技結果のリアルタイム集計は給料の銀行自動振り込みを可能にし、更に銀行のオンライン化やクレジットカードの普及に繋がっていったとのこと。まさに五輪招致が一国の文化を変えていったとは驚きだ。そう言えば自分がカミサンをもらった当時の給料は封筒入りの現金だった。カミサンに渡すと必ずカミサンが自分に「ありがとうございます」と頭を下げたものだ。それがそのうち銀行振り込みに変わり、変わった当時は「振り込まれていました。ご苦労様でした」という言葉があった。ところが1年もしないうち「ご苦労様」の言葉は聞かなくなった。2年もしないうち給料日にカミサンから小遣いを貰い自分がカミサンに「ありがとう」と言うようになった。五輪は日本の男上位の文化を女上位にも変えてしまったようだ。7年後の五輪では何がどのように変わるのか、空恐ろしく思えてならない。