仏作って魂入れず

初めて発令された大雨特別警報は果たして効果があったのだろうか。この警報は「ただちに命を守る行動をとれ」という最上位の警報だ。京都の桂川の氾濫で、住民27万人に避難指示が出たが、実際に避難所に移動した人はたったの1%にも満たない2500人だったとのこと。99%の人が自分の命を守る行動を取らなかったことになる。その原因を考えてみた。本当に27万人もの人の命が危険に曝されていたのだろうか。避難指示の対象範囲が余りにも大雑把過ぎたのではないのか。川沿いで低い土地の人は率先して避難するだろうが、川から離れた高い台の人は避難はしない方が安全だ。27万人が全員危険だとしても対応出来る避難所はあるのか。何処に避難させようとしているのか。いきなり特別警報だと言われて住民は的確に安全な場所に避難出来るのだろうか。普段から住民の危機管理意識の高揚に努めていたのか。折角特別警報なるものを作ってはみたものの、運用効果までは考えていなかったようだ。まさに仏作って魂入れずということだろう。早く魂を入れないと、この特別警報は狼少年警報になってしまうことになる。