巨大地震は予知出来ないのか

東日本大震災以来、日本の政府や学会は地震予知に及び腰になってしまったが、フランスの学者が科学雑誌ネイチャーに「巨大地震の予知は可能」と発表した。大きなプレート境界で起きた大地震の8割には、はっきりとした前震があったことを普通の地震計のデータから解析した。単に前兆が見過ごされていただけで、かの大震災は予測出来たはずだという。いま日本では南海トラフ巨大地震が想定されている。最大で死者32万人、経済的損失220兆円、被災者950万人という途方もない被害をもたらす大災害だ。政府や地震学会は、科学技術上予知は不可能とのスタンスをとっているが、南海大地震に警鐘を鳴らす研究者もいる。村井東大名誉教授はGPSにより地殻変動を捉える研究をしており、最近の四国周辺の異常値から今冬に大地震発生の可能性ありと指摘している。一方、八ヶ岳南麓天文台の串田台長は、FM電波の異常値から9月6日前後に近畿地方でマグニチュード8級の地震発生の前兆を掴んだと言う。イタリアでは地震予知が外れたという理由で研究者が有罪になったこともある。今の日本で、地震予知を公言することは極めて勇気がいる。村井教授と串田台長の勇気と心意気に敬意を称したい。日本政府や地震学会が一日も早く地震予知に本腰を入れるよう方針転換することを願ってやまない。