白いカラス

ああ言えばこう言う。南沙諸島で領有権を強引に拡大し各国と摩擦を起こしている中国が、領有権問題を話し合いで解決したいが応じてもらえないと言う。強権的な政治に対し市民が大規模デモをしているトルコが、デモは民主化の逆行だと言う。各国から多くの人を拉致した張本人の北朝鮮が、脱北者は韓国による拉致だと言う。立場が変われば意見も変わるのは常識だから、変わること自体に違和感はない。しかしこれらの例は国の見解というよりは笑い話に近く、思わず笑ってしまう。何故このような笑い話が世界で同時に起こるのだろうか。カラスが白いと言われても世界の誰でも黒いことを知っている。ひょっとするとカラスは白いと言うことが世界の常識なのかもしれないと、キツネに抓まれたような気になってしまった。