汝の敵を知れ

第3回WBCで日本は準決勝戦で敗退してしまったが、投手のマエケンとDHの井端がWBCベストナインに選ばれた。3連覇は成らなかったものの、ベストナインに2人も選ばれたことは、日本野球にとって勲章と言えるだろう。惜しむらくは、対プエルトリコ戦8回裏のダブルスチールの失敗だ。山本監督はダブルスチールしてもよいというサインを出したと言っている。多分対台湾戦での鳥谷のスチール成功に味をしめ一発逆転の夢を託したのだろう。内川は自分が全てを台無しにしてしまった泣いていた。イチローは、ロケットランチャーの異名を持つモリーナ捕手を相手に、あの場面で内川が走ったことを称えた。同時に、ここで走れという明確なサインはあり得ない。青信号に見えたら行けや、行くなは当然ある、と言う。あの8回裏で追加点を入れていれば流れが日本に移り、決勝戦に進出出来ていたかもしれない。それだけにあのダブルスチール失敗の要因を明確にして反省することが大切だ。ところが、よく頑張ったが勝負は時の運で終わってしまっている。野球の細かい状況判断は分からないが、自分には情報不足が最大の要因だと思う。この侍ジャパンにはメジャー経験者が松井1人しかいなかった。メジャーリーグの有力選手は、米国だけではなく各国から出場している。メジャーリーグの有力選手の情報こそが最大の対策になったはずだ。山本監督がモリーナの強肩を熟知していればダブルスチールのサインを出すはずがない。まずは汝の敵を知ることこそ勝負事の鉄則であることが反面教師によって証明されたようだ。