国民性とカリスマ性

各国の国民性を上手く表現した有名な小噺がある。難破して沈没寸前の船からあと数人下りれば沈没を免れるという設定。船長が各国の人に海に飛び込むよう促す。アメリカ人には「英雄になれますよ」、ドイツ人には「規則ですから」、イタリア人には「女性にもてますよ」、日本人には「皆さん飛び込んでますよ」そしてフランス人には「飛び込まないで下さい」。この殺し文句で全員が飛び込むという小噺だ。言い得て妙。実に上手い。この小噺で今の世界情勢が何故こうなっているのか分かるような気がする。基本的に欧米人は個人主義。イタリアの総選挙に見られるように、全体的な国という観点よりも個々の問題を重要視する傾向が強い。しかしいまのように経済が疲弊している時に個人の意見が反映し過ぎると、事態が悪化の一方を辿ることは間違いないだろう。現在の経済大国は、アメリカ、中国、日本、ドイツ。アメリカは基軸通貨のドルを発行しているので特殊な環境にあるし、中国は共産党一党独裁の国なのでこれも特殊。ドイツは規則が優先するから全体の歩調を合わせ易い。日本は横並びの精神が強いから当然一枚岩になり易い。ドイツ、日本、アメリカ、中国以外の国は、カリスマ性のある指導者の出現こそが国を救う近道に違いないと思う。