沙羅選手と渡瀬コーチ

高梨沙羅選手がスキージャンプ女子ワールドカップで総合優勝を果たした。この大会のジャンプで総合優勝したのは男女合わせて日本人で初めての快挙。16歳4か月でワールドカップ史上最年少での優勝というオマケも付いた。目出度し、目出度し。沙羅選手の得意はジャンプだけではなさそうだ。中学を卒業した年には高校卒業程度認定試験に合格済み。英語はペラペラ。転倒で気絶し入院したがトラウマも乗り越えた。体調管理も万全で、時差ボケにもならない太い神経を持っているようだ。心身ともにマルチタレントと言える。そんな沙羅選手にも若干気掛かりなことがある。小学6年から指導を受けてきた渡瀬コーチが辞任してしまったことだ。渡瀬コーチはジャンプの元日本代表選手で、現役引退後は数々の若手を育てていた。所属会社のスキー部が廃部となり、それに伴い契約が切れた。全日本スキー連盟からの補助が僅かなためコーチをする生活が立ち行かなくなってしまい辞任せざるを得なかったとのこと。スキー連盟は世界チャンピオンを輩出したコーチをしっかり支援すべきだ。才能がある選手でも一人では成長しない。才能のある選手と才能のあるコーチが揃ってこそ開花が見込めることになる。渡瀬コーチが早急に復帰出来るようスキー連盟に望みたい。沙羅選手には20日から始まる世界選手権での2冠を期待したい。