ダボス会議の終焉

世界経済フォーラムの年次総会であるダボス会議が例年通り1月に開催された。約100カ国の政府首脳、大企業経営者、知識人、ジャーナリストなどが一堂に会し、地球レベルの様々な問題について議論をする会議だが、嘗ての輝きはなくなりつつある。それでも世界のトップクラスが2000名以上も集まる会議だから、世界的な関心事は何であるのかを知るには参考になる。今年は、米国の財政の崖は大して話題にはならなかった。欧州経済が底を打ったようで独のメルケルやドラギ総裁やIMFのラガルドに人気があったとのこと。だが英のキャメロン首相は脱EU問題で不興をかったらしい。一方日本のアベノミクスは評判が良かったそうだ。中東のシリア内戦の解決策はこの会議でも見出せない。BRICsの影が薄くなり、アフリカ南部勢が力を付けてきたようだ。確かに世界の潮流は掴み易いが、会議の内容にインパクトがない。世界的な懸念事項の解決策が見出せない。あと数年もするとお祭りと化して終焉を迎えるのかもしれない。結論や方向性を示せない会議ほど虚しいものはない。