半世紀遅れの国会論戦

安倍政権で初の国会論戦となる各党代表質問が始まった。テレビニュースを何気なく聞いていると、何時にもなく力が入っている。アベノミクス効果で政治家もいよいよ活性化したのかと思いテレビ画面を眺めてみた。安倍、海江田、平沼、高村らが気合を入れてじゃべっている。ところが何か変だ。4氏とも議員に対してしゃべっているのではない。原稿台に向かって吠えているのだ。要は原稿を読み上げているだけ。迫力を増したいがために力んでいるに過ぎない。この光景は小学校の児童劇よりも劣る。小学生は台本を見ないで演技が出来る。政治家の仕事の一つは人を説得することだ。主義主張の一つや二つを原稿を見ずにしゃべれない政治家などが人を説得出来るはずがない。代表質問者は小泉や野田の爪の垢を煎じて飲む必要がある。更に何故吠えるのかを考えてみた。今から50年以上も前はラジオ中継が全盛だった。国民はラジオを聞きながら、その内容と迫力で政治家を判断した。原稿を見ようが見まいが、内容と迫力がものをいった時代だ。ところが今はテレビの時代。原稿に向かって吠える政治家が如何に頼りなく映るかを理解していない。果たして半世紀遅れの政治家に日本の将来を託すことが出来るのだろうか。