ボーイングの失敗

ボーイング787のバッテリー出火事故が深刻な問題に発展している。全日空では2月に400便近くが欠航するという。問題の解決には相当な時間がかかりそうだ。単純な電気系統の配線ミスによるもであれば比較的短期に済むだろうが、リチウムイオン電池をより安全なニッケル水素電池に替えるとなれば認可等に1年はかかるらしい。直接原因は兎も角、問題の根っこはボーイングの米連邦航空局との馴れ合いと、モジュール製造法にありそうだ。米連邦航空局は米航空業界が定めたリチウム電池の厳格基準の適用を見送っていたことが明らかになった。専門家は大型リチウム電池に必要な冷却機構がないのに驚いているとのこと。米連邦航空局は米公聴会でも真面な回答が出来ず不信を招いている。更にボーイング自体も、トヨタのモジュール製造方式を形だけは真似てみたものの、その真髄が理解出来ずにコストが嵩み開発期間も長引き、結局失敗に終わったようだ。2001年に本社をシアトルからシカゴに移したことでトップの本業軽視と航空局への圧力が増長し、結果としてそれが今回の徒になったように見える。浮ついたトップの盲判断が会社を傾けることは世の常なのに。