安倍政権の1勝1敗

安倍政権は事業仕分けを担当してきた行政刷新会議を廃止した。いま事業仕分けで廃止と決めた予算が続々と復活している。元々事業仕分けには法的拘束力がないためだ。掛け声だけは威勢が良かったが、大した歳出削減の実績も残せず、そして数少ない削減案件も復活している。一体あの騒ぎは何だったのだろうかと思う。当時言われたように民主のパフォーマンスそのものでしかなかったのだ。法的拘束力のないことを重々承知で演技したヘボ役者たちは、いまどのような心境なのだろうか。ペロッと舌でも出しているに違いない。無銭飲食者が食い散らかしたようなものと言える。枝野と蓮舫の罪は重い。しかし歳出削減のため事業仕分けそのものは重要だ。安倍政権が為すべきことは、決して事業仕分けを廃止することではない。事業仕分けに法的拘束力を付与して強力に押し進めることこそ責務と言える。一方、社会保障改革会議は野田政権と同じメンバーで継続することになった。数十年先まで考えなければならない社会保障制度の検討は、政権が代わっても継続して結論を出していくことが重要だ。この2つの会議の継続と廃止は安倍政権の1勝1敗になったと思う。