雪解けがもたらすもの

成人式の日に降った雪が今でも残って困っているが、野球界では雪解けが進んでいるらしい。元プロと高校野球指導の壁の融解だ。プロ/アマの壁を作ったのは、50年以上も前の柳川事件。中日が協約を無視したことによりアマが怒ったことに端を発した。今から見れば非常につまらない事で日本野球発展の足を引っ張った出来事と言える。今までは、この事件のためにプロからアマへの転向に大きな壁があった。プロ転向者は2年以上教員を経験しないと高校野球の監督にはなれなかった。ところが雪解けが進んだ。5日程度研修をして学生野球資格を獲得すれば、翌日から監督就任も可能になる見通しとのこと。松井の星陵高校監督や、桑田のPL学園監督も夢ではなくなってきたようだ。自分が若い時代は、産学共同は悪と言われた。だが今は大学が如何に産業に寄与すべきかという時代に変わっている。野球界は今になってようやく産学共同は悪という悪夢を振り払う決心が出来たらしい。諸悪の根源は、頑なに我が組織を守るという誤った忠誠心にあることは間違いない。組織の上にはどういう理念があるのかを考えれば、自ずと答えは出てくるはずなのに。今は正に上の理念を見ることの出来るトップが求められている時代だと思う。