薄茶点前の稽古

もうすぐ初釜の日。雪が残る風情のある庭を見ながら初めて薄茶点前の練習をした。先生は88歳の義母、師匠でもある。一通りの流れを座学で習った後、実技演習に入った。おじぎの仕方、襖の開け閉めから始まり、茶巾の扱い、帛紗のさばき方、歩き方、茶道具の扱い方置く位置等々覚えなければならないことが盛り沢山だ。あっと言う間に1時間が過ぎた。終わり近くになって正座の向きを少し変えるところがあるが、その時になって初めて足が全く動かないことに気付いた。感覚がなくなるほど痺れたのも、痺れに気付かなかったのも生まれて初めての経験であった。暫しの休憩を経て何とか最後までたどり着いた。茶道は作法を大切にするが、それを支える苦しみもあることを発見したような気がした練習初日であった。