参院が参院として機能し続ける方法

国会の機能不全が続いており、その理由は与野党逆転の衆参院にあるというが果たして本当だろうか。原子力規制委員長の承認遅れは代表例だが、衆院で通過した案が尽く参院で否決され滞っている。特に国会同意人事が必要な日銀総裁、公正取引委員長、人事院等々は、2007年に当時野党の民主党が参院の数の力で否決して以来、有ろうことかその遺伝子が自民参院に引き継がれ、参院否決が伝統化している。逆転国会の参院で通過するのは、政局絡みの談合で調整出来た消費増税くらいだから、情けない限りだ。本来参院の機能は良識の府、再考の府であるはずだが政局の府に成り下がってしまっている。従って今の参院は情けないことに第二小衆院という位置付けだ。第二小衆院など必要はない、政局を混乱させるだけだ。参院は無用の長物と言うよりは毒そのものに化している。参院を廃止し一院制にした方が政治は機能するはずなのでベターだが、それではチェック機能がなくなってしまうのでベストではない。今の参院選挙は、衆院と同様に政党選挙であることが問題の根源だと思う。参院を良識の府とするためには、政党選挙を止め、良識あると自負する一個人が立候補するシステムに変更すべきだと思う。即ち、都道府県単位の選挙区制も全国単位の比例代表制も止めてしまい、一個人の全国立候補制にすることだ。参院の良識のない議員連中が、自らの改革なくして生き抜くことは出来ないことを知るべき時期が近づいている。