五輪の無気力試合

ロンドン五輪が競技以外の話題で盛り上がっている。柔道の審判判定を覆したジュリー制、フェンシングの魔の1秒、人種差別発言をしたサッカー選手の永久追放、バドミントン女子の無気力試合による8強の大量失格、女子サッカーの引き分け狙い等々。バドミントンとサッカーは同じ構図の問題を抱えている。バドミントンはこれまでトーナメント方式だったが、今大会からグループリーグ方式に変更された。グループ上位の2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントの枠順は既に決まっているので、各チームは様子を見ながら1位通過か2位通過を調整する事が出来る。決勝トーナメントの優位な枠順を得るために中国と韓国2組とインドネシアが、わざと負ける試合を行ったため世界バドミントン連盟はこれらのチームを失格処分した。サッカーも同じ方式で、日本の佐々木監督は決勝トーナメントが有利になるよう、対南アフリカ戦がドローに終わるよう采配を取った。しかし国際サッカー連盟は日本を規律委員会にかけないと発表した。同様な行為に対して異なる処分が行われるのも問題ではあるが、メダルを獲るためにわざと手を抜くことが有利となるシステム自体が最大の問題だ。1次リーグ/決勝トーナメント方式でも、1次リーグ終了後に決勝トーナメントの枠順を決めるようにすれば、このような問題は生じず選手は全力を出して試合に臨む事が出来るはずだ。今回のバドミントンの失格処分は取り消し8強による決勝トーナメントを行った方が良い。次回から1次リーグ終了後に決勝トーナメントの枠順を決める方式に改正するだけのことだ。五輪競技委員会は選手が最高に能力を発揮出来るようもっと知恵を絞るべきだと思う。