タイ洪水と天気予報

タイの洪水が長期化し産業界にも大きな影響を及ぼしている。洪水の原因は、バンコク周辺の平坦な地形、政府の不作為、例年の2倍にも及ぶ降水量の3つ。山形俊男東大教授は「タイの大雨は予測出来ていた」と語っている。今年はインド洋にダイポールモード現象が起き、かつ同時に太平洋にラニーニャ現象が起きたためだという。ダイポールモード現象はインドシナ半島に大雨を降らし、ラニーニャ現象もインドシナ半島に大雨をもたらすので、タイは大雨になったということらしい。海洋研究開発機構はシミュレーションの結果を長期天気予報として公表しているとのこと。タイが海洋研究開発機構の出す気候情報を参考にしていれば予めダムの水位を下げておくとかの方法で洪水は防げたはずという。最近の気候予測技術の進歩には目を見張るものがある。どのような気候情報を出しているのか興味を覚え海洋研究開発機構のホームページを見たがその情報が何処にあるのか見つけることは出来なかった。いかに優れた研究であっても役に立たなければ宝の持ち腐れだ。研究者には研究成果を単に研究発表だけに終わらずに、それを必要としている人に分かり易く丁寧にアピールする努力も必要だと思う。