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30日 11月 2011
野田政権は京都議定書が延長することになれば離脱することを決めた。正しい決断だと思う。京都議定書批准国は3割に満たないし、大口のアメリカ中国は参加しない。京都議定書の最大の問題点は、かかるコストの割には温暖化低減に対する効果が極めて小さいことだ。同じお金をかけるのならば、温室効果ガス削減よりも世界をよくする手段はいくらでもある。即ち京都議定書自体が的外れな案件であったということだ。元々京都議定書とは1997年第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択され、2008年から2012年までの期間中に温室効果ガス排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減することを目的に定められた。この採択時点での日本政府の大失敗は、1990年基準による削減案が極めて不公平にECの優位性が図られていたことが分からなかったことと、日本の省エネ技術をアピール出来なかったことと、ゴア副大統領が署名しても議会が批准しない詐欺まがいのアメリカの行為を見抜けなかったことだ。温暖化については、算盤の如く「ご破算で願いまして~は」の心構えが必要だ。
29日 11月 2011
北海道の人気菓子「白い恋人」の石屋製菓が、「面白い恋人」を販売している吉本興業を商標権侵害で警告なしに突然提訴した。まさか吉本興業が本格的に菓子販売に乗り出すわけでもあるまい。芸人特有の洒落の一つと見れば、むしろ「面白い恋人」は「白い恋人」の恰好の宣伝材料だ。美川憲一がものまねタレントのコロッケによってカムバックを果たした例もある。偽物は本物を引き立たせる効果があるものだ。これを使わない手はない。石屋製菓には吉本と共存出来る程度の度量の大きさが必要だ。石屋といえば、以前賞味期限切れ商品のリサイクル使用がバレて製造禁止処分をくらったことがある。消費者不在の利益追求型の会社とみえる。どうも石屋は自己中心を旨とする社風らしい。石屋には北海道特有の人のよさとおおらかさが必要だと思う。
28日 11月 2011
大阪ダブル選挙で「大阪維新の会」が民主自民の支援候補に大差をつけ圧勝した。市長選の投票率は40年ぶりに6割を超え、浮動票のほとんどが大阪維新の会に流れたとのこと。おそらく勝因は大阪都構想ではなく変化を望む期待感だろうと思う。既得権益にしがみ付き何も出来ない既成政党への回答だ。民主自民2大政党に挑む第三極の出現は必然だ。しかし亀井のような古手の政治家が何人集まっても決して支持は得られまい。国民は政治家が本来の仕事をしないことをいやと言うほど思い知らされている。日本の政治には政治家ではない生きのよい人材が望まれていることは間違いない。
27日 11月 2011
今から50年前頃の子供雑誌に描かれていた宇宙人は、大きな頭から細い手足の生えたまるで「タコ」のようだった。当時子供心にその宇宙人の存在を信じていた。先日、国際宇宙ステーションに日本人最長の165日間連続滞在した古川聡さんが無事帰還した。帰還当日古川さん曰く「気分は最高だが身体はまるで軟体動物のよう。身体の重心がどこだか全く分からず立っていられない」。今から半世紀も前にタコのような宇宙人を創造した作家の正確な洞察力創造性には驚きを禁じ得ない。未来の夢は実現するためにあるものだろうと思う。
26日 11月 2011
SFの世界の宇宙戦艦ヤマトには、白鳥座星域の赤色イオン流である宇宙竜巻が登場する。電波望遠鏡で観測すると竜巻のように見える謎のらせん状天体だ。現実の世界では1960年に宇宙竜巻が発見されて以来、発生源は超新星爆発の残骸とする説や回転する中性子星との見方もあった。しかし京都大と慶応大の研究チームがX線天文衛星「すざく」などでの観測の結果、発生源はブラックホールであることが分かった。強い重力があるブラックホールには周囲の物質が円盤状に渦を巻いて流れ込む。一方、円盤の上下方向には「ジェット」と呼ばれる高エネルギー粒子の噴流ができる。ブラックホールの位置が近くにある別の大天体の影響で揺れ動くと、ジェットがらせん状になり、竜巻のように見えると考えられるらしい。今後宇宙航空研究開発機構が2013年度に打ち上げるX線天文衛星を利用し、宇宙竜巻のブラックホールの直接検出を目指すという。宇宙竜巻が発見され、それがSFとなり、X線天文衛星によりブラックホールの仕業に違いないと推測され、再来年はそのブラックホールの直接検出を目指すという、まさに天空のロマンそのものだ。
25日 11月 2011
巨額の損失隠し問題が発覚したオリンパスの元社長と現社長が揉めている。ウッドフォード元社長は「取締役は全員辞任すべき、上場廃止は最悪で株主にも社員にも悲劇だ」と言っていることに対し、高山現社長は「問題解決までは辞任せずに現取締役で対処する。ウッドフォード元社長が内部情報を外部に漏らしたとして法的措置を検討中」と言っている。高山現社長の反論はまさに「盗人の逆恨み」そのもので開いた口が塞がらない。ウッドフォード対高山の戦いを傍から観戦している場合ではなく、株主も社員も今こそ声を挙げる時だ。年功序列絶対服従の悪しきオリンパスの社風を打ち壊すことこそ社員が生まれ変われるチャンスでもある。しかしワンマン社長の長い経営下で、果たして取締役を遂行できるほどの骨のある人材が残っているかは疑問だ。「金魚の糞」社員の中から「災い転じて福をなす」社員が出てくるかの試金石だ。
24日 11月 2011
亀井静香と石原慎太郎が新党作りを模索している。国民新党、たちあがれ日本、大阪維新の会、減税日本を一纏めにする案らしい。それに小沢一郎も加わるかもしれない。一方石原伸晃は消費税増税関連法案への対応をめぐり、民主自民両党の分裂による政界再編の可能性に言及した。TPPにしても消費税増税にしても、民主も自民も賛否半々の状況だ。政党が八方美人状態では物事が進まない。ガラガラポンで早く政界を再編し政策中心の特色ある政党作りを実現してほしいものだ。政策で政党を選ぶことが出来るようになれば国民に主権が戻ることになるはずだ。
23日 11月 2011
11月15日のブログで書いた対策「世界常識から見れば国会議員の情報システムが破られるのは格好悪いのでそこそこに対策は必要かもしれない」は完全に誤りであった。7月下旬に届いたメールの添付文書を一人の衆院議員が開いてしまったことでウイルス「トロイの木馬」が侵入し、その後1か月以上の間サイバー攻撃側の盗み見状態が続いた。参院も同時に同様な状態に曝された。衆院には衆院議員約480人と各公設秘書1人の計約960人分と、衆院事務局の職員約1700人を合わせた計約2660人分のパスワードなどがある。衆院事務局は10月25日のサイバー攻撃発覚直後と27日の計2回、議員にパスワードの変更を求めた。しかし「パスワードを変更した」と回答した議員は45%「変更していないや無回答」は55%に上ったという。唖然というか愕然というか国会議員のモラールの低さには開いた口が塞がらない。サイバー攻撃を受けパスワードが流出した状態でもパスワードを変更しない議員は、最早被害者ではなく寧ろ加害者に近い。そもそも低能な国会議員にパソコンを持たせたこと自体が間違いのもとだった。日本の国会議員からパソコンを取り上げることこそ最適なサイバー対策になることは間違いない。事務局はパスワードを変更しなかった者の氏名を公表すべきだ。次回選挙の参考資料としたい。
22日 11月 2011
死者40人を出した中国高速鉄道の追突脱線事故について、事故調査専門家チームが事故調査報告書を提出した。これまで事故の最大の原因は「信号システムの問題」とされていたが、それを覆し「人員と管理者の問題だった」と報告。信号技術や管理システムの問題として捉えるべきものを「人」の問題にしてしまったことから、中国の問題解決能力レベルの低さが窺える。「人」の責任にすることは簡単だ。対策も簡単だ。ダメ人間を替えれば済む。替えた人間がダメならまた替える。ダメ人間を教育する。上司の管理を厳しくする。罰則を強化する。しかし、どれほど「人」のみに対策をうっても何時まで経っても「人」のミスはなくならない。何故ならば「人はミスをする動物」なのだから。従って人がミスをすることを前提に技術や管理システムを構築しなければ何時まで経っても同じ事故を繰り返すことになる。日本の品質管理では常識だが中国は20~30年遅れている。通常大事故の反省から得られる教訓はその後の事故防止対策を一段階レベルアップさせる効果があるが、この中国の結論では改善効果は望めない。当分は中国高速鉄道は避けた方が賢明だろう。
21日 11月 2011
北極では海氷が解け、南極では降雪が増えている。地球が温暖化すれば北極の海氷が解けることは理解できるが、南極の降雪量増加も温暖化によるものという説があり理解に苦しむ。国立極地研究所の調査によると、南極大陸内部の降雪量が20世紀後半から以前より15%増えたとのこと。同研究所は地球温暖化で周辺の海水温度が上昇し、陸地に流れ込む大気に含まれる水蒸気の量が増えたのが原因と見ている。南極は実際にこの数十年間で大幅に寒冷化しており、国連の世界気象機関も今後南極の雪は増えていくと予測している。北極が温暖化し南極が寒冷化していることは確からしい。北極は海だが南極は大陸で高い山があることが温暖化と寒冷化の別方向に向かわしているのだろうか。地球が寒冷化すると南極の降雪量は減るのだろうか。分かったようで分からない現象だ。

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