京都議定書

野田政権は京都議定書が延長することになれば離脱することを決めた。正しい決断だと思う。京都議定書批准国は3割に満たないし、大口のアメリカ中国は参加しない。京都議定書の最大の問題点は、かかるコストの割には温暖化低減に対する効果が極めて小さいことだ。同じお金をかけるのならば、温室効果ガス削減よりも世界をよくする手段はいくらでもある。即ち京都議定書自体が的外れな案件であったということだ。元々京都議定書とは1997年第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択され、2008年から2012年までの期間中に温室効果ガス排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減することを目的に定められた。この採択時点での日本政府の大失敗は、1990年基準による削減案が極めて不公平にECの優位性が図られていたことが分からなかったことと、日本の省エネ技術をアピール出来なかったことと、ゴア副大統領が署名しても議会が批准しない詐欺まがいのアメリカの行為を見抜けなかったことだ。温暖化については、算盤の如く「ご破算で願いまして~は」の心構えが必要だ。