中国高速鉄道の事故原因

死者40人を出した中国高速鉄道の追突脱線事故について、事故調査専門家チームが事故調査報告書を提出した。これまで事故の最大の原因は「信号システムの問題」とされていたが、それを覆し「人員と管理者の問題だった」と報告。信号技術や管理システムの問題として捉えるべきものを「人」の問題にしてしまったことから、中国の問題解決能力レベルの低さが窺える。「人」の責任にすることは簡単だ。対策も簡単だ。ダメ人間を替えれば済む。替えた人間がダメならまた替える。ダメ人間を教育する。上司の管理を厳しくする。罰則を強化する。しかし、どれほど「人」のみに対策をうっても何時まで経っても「人」のミスはなくならない。何故ならば「人はミスをする動物」なのだから。従って人がミスをすることを前提に技術や管理システムを構築しなければ何時まで経っても同じ事故を繰り返すことになる。日本の品質管理では常識だが中国は20~30年遅れている。通常大事故の反省から得られる教訓はその後の事故防止対策を一段階レベルアップさせる効果があるが、この中国の結論では改善効果は望めない。当分は中国高速鉄道は避けた方が賢明だろう。