国民投票の是非

今回のギリシャ救済策は「三方一両損の大岡裁き」で最も痛みが少ない良い方策だとは思うが、ギリシャ国民投票も悪くはないとも思うようになってきた。ギリシャ国民投票はギリシャ国民に対する踏絵だ。可決されれば国民の反対運動が急速に弱まりギリシャの財政再建はスムースに進むはずだ。しかしEUのほころびは持続されたまま残る。一方否決されると、ギリシャはEU脱退に走るだろう。EU脱退にはルールが存在しないがギリシャが一方的に脱退宣言すれば実態として脱退出来るはずだ。脱退すると、物価上昇と債務返済額の増大と大量の倒産と失業者が発生しギリシャ経済は悲劇を迎えるが、国民が選択した結果なので国民は乗り切るしかない。EUは金融関係が強力なダメージを受け、世界経済にも大きな影響を与えるだろう。ギリシャの第二候補の国々はギリシャの惨状を目の当たりにして財政再建に取り組み始めるだろう。国民投票の可否を比較すると、否決のケースも決して悪くはないと思う。ギリシャの状況は、膿を出すには手遅れという意見が主流のようだが、今膿を出さなければEU自体に膿が溜まっていくだけだ。今こそ膿を出すべき時だと思う。ギリシャ国民投票の否決は、一時的には大きな痛みを伴うがEU再生の決定的な切り札になるかもしれない。