マニフェスト不履行

民主の岡田幹事長が2009年総選挙のマニフェストについて「見通しの甘さについて率直におわびしたい」と陳謝した。後日菅首相も岡田と同意見ですと陳謝した。マニフェストの実行期間である4年間の衆院議員任期半ばにもかかわらず、党幹部が公約不履行を認めるのは異例だ。 そのココロは小沢バイバイと特例公債法案オネガイだろう。予算の組み替えで20兆円捻出、高速道路無料化、米軍普天間飛行場は最低県外、公務員総人件費2割削減、天下り廃止、後期高齢者医療制度廃止、ガソリン税暫定税率廃止、子ども手当2万6000円等々何一つ実現する見通しもない状況では当然の陳謝だ。しかしあまりにも遅すぎた。華やかだった事業仕訳の惨憺たる結果を見て、全てが絵空事であったことを確信した。大震災がなくても同じ結果になったことは間違いない。大震災は背中を押したに過ぎない。ここで民主のマニフェストを改めて考えてみよう。2009年総選挙民主大勝の要因は、自民のどうしようもなさだ。なにかわからないけど一度民主にやらせてみるかという判断だ。マニフェストに何が書いてあったのか誰も覚えていないし興味もなかったというのが真相だろう。しかしその後民主は勘違いしてマニフェストを金科玉条とした。マニフェスト成就と現実路線のせめぎあいで民主はフリーズしてしまった。大震災が起こってこの陳謝へとなった。日本にとって問題なことは、決してマニフェスト不履行ではない。マニフェストの呪縛から逃れられない民主の体質にある。この呪縛から逃れられる唯一の方法は解散総選挙しかない。エネルギー政策転換では民主は勝てないだろう。今までの行動を懺悔し解党することが勝に繋がるかもしれないと思う。