2013年8月

羅生門の警察は誰だ

シリア政府が化学兵器を使えば最後の一線を越えたと判断すると言っていたのはオバマ大統領だ。シリアで今までに小規模の化学兵器使用の事実は何回かあった。そして今回は子供426人を含む少なくとも1429人もの住民が死亡したのは事実のようだ。だがオバマは動かない。オバマは一体何を逡巡しているのだろうか。しかし世界中の人は知っている。かつてイラクに大量破壊兵器などはないということを知りながら、あると言う理由で一方的に米国が戦争を始めたことを。そして今回の大規模な化学兵器使用は米CIAが仕掛け人であるかもしれないという憶測も。だからアメリカ人は反対しているのだろう。アメリカの言う、シリア政府が化学兵器を使用したという根拠は曖昧だ。1429人が死亡したということだけが事実で、それ以外は状況証拠に過ぎない。一方シリア政府が化学兵器を使用したことは限りなく真実に近いように見える。まさに芥川の羅生門のように事実は混沌としている。そこで気になるのはキリー国務長官が報復に積極的で、オバマが消極的な態度を取っていることだ。両者の情報量の多寡が意見を二分しているように見える。オバマは果たして世界の警察なのだろうか。自分にはそう見えないのだが。

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仔猫たちの探検

義母が野良猫に餌をやり初めて1年ほど経った。ネグラは近所の家の軒下だが昼間は我が家へ食事にやって来る。義母がシロと名付けた。シロは可愛い声や眼で挨拶するが、決して触らせはしない。野良猫の本性なのだろう。数か月前そのシロに2匹の子供が産まれた。子供たちはネグラの家の門までは顔を見せるが、なかなか道路までは出なかった。ある日シロが我が家の庭で鳴いている。子供たちをネグラの家から我が家まで探検するよう呼んでいるのだ。その様子を2階からそっと見ていた。初日はいくらシロが呼んでも、中間地点まで来たが逃げるように引き返してしまった。子供にとってはハードルが高いのだろう。何日か経ってシロがまた呼ぶと子供たちが、やっと我が家に辿り着いた。しかし着いたと同時に一目散に帰って行った。それを繰り返した後、子供たちも我が家の庭に慣れたようだ。朝、門まで新聞を取りに行くと時々3匹が庭にいるのを見かけるようになった。どうやらシロは義母とカミサンに我が子を見せて自慢したいようだ。子供たちも我が家の庭に慣れたせいか滞在時間が長くなってきた。義母とカミサンはシロ一家の来宅に大喜びだ。義母は仔猫用の餌を与えるべきか悩み始めた。悩みとは尽きないものらしい。

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首相の思う壺

政府が消費増税について、各界の代表者や有識者からヒアリングをしている。首相が最終判断するための参考資料にするというが、本当に参考になるのだろうか。消費増税の目的は元々社会保障と財政再建だったはずだ。この2点に絞ってヒアリングするのならば参考意見として価値のあるものになるはずだ。ところがこのヒアリングでは消費税を上げるべきかを聴いている。だから増税を可とする者は必ず前提を付けてくる。自分の属する業界が予算や税で優遇されるならばという前提だ。もし政府が真面に意見を聞き実行することになると、大盤振る舞いの予算となり、何のための消費増税かわからなくなってしまうことになる。このヒアリングは議題の設定ミスで参考資料にはなりえない。単に国民に対するガス抜きとアリバイ作りと見るべきだろう。このヒアリング自体が消費増税についての議論を掻き回している。よくよく考えるとそれこそが安倍首相の思う壺かもしれない。

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軽井沢ドライブ旅行の思い出

このブログは書き溜めもしないし、後付書きもしないようにしている。その日に感じたことを、そのまま表現することが自分の文章の表現力を養うに違いないと信ずるからだ。と言うことで、今回の軽井沢1泊ドライブ旅行から帰ってきたので書いてみた。期待に反したところもあったが、想定外の良い点もあった。まずは反した点。8月下旬になれば人出は減るはずと思い込んでしまっていたこと。星野リゾートの周りは賑わっていて駐車も出来なかった。そしてテレビで人気の宿は、放送内容以外のことは想定外の内容だったこと。野鳥の森を散策したが、我が家の周りの鳥の鳴き声と殆んど変わりはなかったこと。レイクニュータウンは見る影もなかったこと。BBQのパターゴルフは今まで経験した中でも最低のコンディションだったこと。不満も多いが、一方良かった点も多くあった。セゾン現代美術館のカンディンスキー「軟らかな中に硬く」の細やかな「背景の配色」に感動したこと。千住美術館の「手前に水を張った馬鹿でかい滝」に圧倒されたこと。塩沢湖のペイネ美術館で、カミサンが自分を「ペイネのセンスと似ているね」と言ってくれたこと。中でも一番感動したのが昼食をしたブレッド&バターという名のイタリアン。レイクニュータウンの近くにある。12時近くに自分達は辿り着き一番乗り。どんな店かと思い周りを見渡すと、壁にはジェームス・ディーン、そして解読できない80年代の誰か分からないサイン。昔は相当流行っていたんだなあと思った。そしてその後、人が次々と入ってきた。何とその人達が自分を遥かに超える先輩と言うか老人だ。70から80歳代の方々が集う店なのだ。ほぼ満席になった。今までこんな店を見たことはなかった。これほど心に残った店はない。

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車のお守りと美術館巡り

今年の夏は猛暑が続き、いっときでも良いから涼しい所に行きたいと願っていた。やっと猛暑が通り過ぎたところで今から軽井沢1泊旅行になった。車をインサイトに替えてから4年が過ぎたが、走行距離は未だに9千kmに満たない。車は近所に買い物やテニスに行くときに使うだけで、遠距離の場合は、目的地まで電車で行ってレンタカーを借りるので、走行距離が伸びるはずがない。車は体と同じで動かさないと良くない、ということなので200km程度の範囲は時々車を使うようにしている。今回の旅行は車のお守りと美術館巡りと南原散策がメインだ。いざ出発。

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特異的な数字51

先日米CIAがエリア51の存在を初めて公式に認めたというニュースがあった。エリア51といえば、米国の軍事機密基地でステルス戦闘機が開発されたとかUFOで有名だ。もっと有名なのがマリナーズ時代のイチローが守ったライト。イチローの背番号51と守備の上手さをひっかけてエリア51といわれた。最近その背番号51が話題になっているらしい。イチローがマリナーズに入団した時、それまで51を背負っていたのが、スーパースターのランディ・ジョンソン投手だった。イチローはジョンソンに「この番号に恥じないよう頑張る」とメッセージを送ったエピソードが明らかになり称賛されているとのこと。だがイチローはヤンキース移籍時は51を固辞した。何故ならヤンキースの51はバーニー・ウイリアムスが有名で、ヤンキースの51は永久欠番になるだろうと言われているからだ。31にしたのは賢い選択だったと思う。これもそのうち称賛されることになるかもしれない。貰って褒められ断って褒められ、51は素数でもあるし特異的な数字のようだ。

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頑張れ村田選手

久し振りにもの凄く強いプロボクシング選手のデビュー戦を観た。ロンドン五輪で金メダルを獲得した村田選手だ。五輪で金を獲ったアマチュアNO1とはいっても、通常プロはその上を行く。しかも対戦相手は東洋王者の柴田。デビュー戦としては難敵だった。試合は2ラウンドTKOで村田が圧勝したが、勝負は戦う前についていたように感じた。村田は終始リラックスして笑いながら入場したのに対し、柴田は緊張しきっていたように見えたからだ。ラウンドでは村田がパワーとプレッシャーで柴田を圧倒した。試合後に情熱大陸という番組で村田の特集をやっていた。村田という男の生き様が見えてきた。五輪金メダルという勲章を拠り所にプロに転向したのかと思っていたが、全くそうではないらしい。村田は自分の人生が金メダルに縛られるのがいやだった。金メダルを捨ててしまいたいとまで言っていた。アメリカのトレーナーは、村田にはボクシング技術に対するハングリー精神があるという。メダルに驕らず技術向上に直向きなのだ。大物の予感がする。このまま伸びれば世界チャンピオンは間違いないだろう。更には日本ボクシング界を引っ張っていくリーダーにもなるような気がする。頑張れ村田選手。

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花巻東の千葉選手のことを思う

先日終わった高校野球大会で優勝した高校よりも、準決勝で敗退した花巻東の千葉選手が話題になっている。身長156センチの小兵だが、カット打法で準々決勝までの3試合で5四球を稼ぎ、打率7割、出塁率8割を誇っていた。だがその千葉選手にサイン盗みとカット打法の嫌疑。今の高校野球ルールでは、サイン盗みは正々堂々としていないから、そしてカット打法は打つ意志がないからという理由でバツということになっているらしい。現実は、花巻東のサイン盗みは有名で各校とも気を付けていたそうだが、千葉選手の打法はルールには抵触はしていない両手打ちだったとのこと。そこで思う。第一に、そもそも高校野球規約は何故サイン盗みをバツにしたのだろうかという疑問だ。毎日限界まで練習し努力している選手が、相手の戦術をも見抜こうと思うのは当たり前ことだし、それを仲間に知らせる行為は当然のことだ。どんなスポーツでもそうするのが常識だ。野球で言えば見抜かれた方がアホということだ。高校野球規則がそもそも間違っている。そしてカット打法とは、野球の世界では最高の技術の一つであり、それを規制すること自体がおかしいのだ。しかも千葉選手は、そのおかしい規則には触れていないのに警告を受けたのが問題だ。高校野球連盟は一体何を考えているのだろうか。フニャフニャした子供よりも意志の強い子供を育成することが大切だと思う。高校野球連盟は子供を強い子に育成してはいないということだけは言えると思う。

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百匹目の猿現象か

悪ふざけのツイッター投稿写真が連日のように報道されている。ステーキ店のブロンコビリーではアルバイト店員が冷凍庫に入り、ピザハットではピザ生地を顔に張り付け、ファミリーマートでは冷凍庫でごろ寝し、ファミレスのビッグボーイではサラダバーの中から顔を出し、スーパーでは客がアイスクリーム用冷凍庫に入った等々、留まるところがない有様だ。これこそ百匹目の猿現象かと思った。宮崎県幸島に生息する一匹の猿がイモを洗って食べるようになり、その行動をとる猿が百匹を超えると群れ全体に広がり、同時に離れた大分県高崎山の猿もイモを洗うようになったという話だ。自分は今までこの現象が真実だと思っていたが、調べてみるとそのような事実はなく作り話であることが分かった。猿でも人間でもこのような現象は起こらない。どうやらマスコミがしつこく取り上げるものだから、若者が悪乗りし過ぎているようだ。マスコミは善悪に拘らず話題性さえあれば、まるで日本中がそうであるかのように集中的に報道する。この悪乗り現象の真犯人はマスコミに違いない。マスコミにはこの騒動を治める責任がある。

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祝ミスター4000

イチロー選手がついに日米通算4000安打を達成した。まさに偉業であり、米国野球殿堂入りも夢ではなくなってきた。試合後のコメントでイチローが4000安打について何を言うのか楽しみにしていた。イチローが「4000の安打を打つには、8000もの悔しい思いをしている。誇れるものがあるとすれば、4000の安打ではなく悔しい思いと向かい合ってきたこと」と言った言葉が印象的だった。いかにもイチローらしいコメントだと思う。この言葉と発明王エジソンが「天才は1%のひらめきと99%の汗」と言った言葉がダブって聞こえる。自分のような凡人は結果だけに目が行ってしまうが、天才は見ているところが違うようだ。もしイチローが4000達成だけに目を向けていればプレッシャーに押し潰されてしまって達成出来なかったかもしれない。8000の凡打に目を向けることこそ天才の為せる業なのだろう。良い事を教えてもらった。

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新聞が過去から未来になれば

イチローが日米通算4千安打にあと1本というニュースに接してつくづく感じることがる。イチローの4千本や昨日のイプシロンのニュースは、ニュースとしては異例だと思う。今までのニュースは、何処で何が起こったのかという過去の出来事の後追いがメインだった。そのニュースを聞いて、もし予め知っていれば自分は参加したのに、と思うことが度々あった。だから新聞にしろテレビにしろニュースというものは過去を報道するものだと思っていた。ところがイチローにしろイプシロンにしろこれは明日以降どうなるかという話題だ。珍しいことだと思った。先日アマゾンのCEOペゾスがワシントンポストを買収するというニュースが流れた。IT世界の帝王が、何故今更新聞会社などを買収するのだろうと不思議に思った。ところがイチローやイプシロンのニュースに接し、ヒラメイタものがある。ペゾスはきっと、新聞を過去の報道媒体ではなく、未来を示す報道媒体に変えようと思ったに違いないと思った。過去の報道はそれなりに価値のあることではあるが、未来のための報道は、これからの世界を左右するほどの影響力を持つはずだ。もし新聞が未来のためのケーススタディやあり方を示すのであれば、自分は積極的に購入したいと思う。

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イプシロン

JAXAとIHIが開発した新小型ロケット「イプシロン」の打ち上げが迫っている。衛星の小型化に対応し打ち上げ能力を低めに設定し低コスト化を狙ったロケットだ。第1段エンジンはH2Aのブースターを転用、打ち上げ作業を人手から人工知能に変更、垂直打ち上げ方式の採用等で打ち上げ費用約50億円を達成し、今後複合材素材を最新のものにすれば30億円が可能とのこと。イプシロンは、低コストで使い勝手の良い小型衛星打ち上げ機であると同時に、革新的ロケット技術の練習台としても位置付けられている。今回の打ち上げが成功すればこの新技術はH2Aにも適用されることになるという。イプシロンの成功は、まさに日本の宇宙ビジネスの試金石といえる。27日の打ち上げの成功を祈りたい。

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言語の壁

猛暑の為ついに気がおかしくなってしまったかと思わせるニュースが世界中を駆け巡った。スペインの高層ビルがエレベーターを付け忘れたというニュースだ。日本でも新聞やテレビで報道されたが、それを聞いた人はウッソーと驚いた後に込み上げる笑いを抑えるのに苦労したに違いない。ところが後日誤報であることが判明した。事の発端は、スペインの新聞をイギリスの記者が読み間違えたためとのこと。スペイン語の「47階建てに充分なエレベーターを通す空間がない(47階建ての割にはエレベーターの広さや台数が足りないという意味らしい)」を「設計変更時にエレベーターを付け忘れてしまい今からは付けられない」と解釈して英訳してしまったようだ。内容が内容だけに一瞬で大誤報が世界中に広まったらしい。考えてみると、日本人同士で同じ日本語を使っていてても誤解が多いのだから、ましてや言語が異なれば尚更だ。誤解がない事の方が不思議なのかもしれない。ひょっとすると世界は誤解の上に成り立っているのかもしれない。意思の疎通を大事にしなければと思う。

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量子コンピューターの世界

遠い昔、量子力学の授業で光子は粒子でもあり波でもあると習ったことがある。その光子について東大の古澤教授らが、光子を粒子として扱うよりも波とした方が量子テレポーテーションの効率が100倍も良くなることを突き止めたとのこと。現在のコンピューターは1と0の信号で情報処理を繰り返している。スーパーコンピューター「京」が世界トップレベルの計算速度で有名だが、量子コンピューターは、同時処理が出来るので京が何年もかかる計算をたったの1秒で出来る夢のコンピューターらしい。その量子コンピューターの実用化に一歩近づけた成果とのことだから驚きだ。量子コンピューターが実現すれば、世の中は一変しそうだ。何でも計算すればすぐに結果が出てくることになる。だがその時に使う計算式はどのように組み立てるのだろうか。それを組み立てるのは人間だから、たとえ計算が速くても方程式の立て方次第で結論は変わってくる。と言うことは、問題を解くための方程式を立てる専用の量子コンピューターも必要になるということなのだろうか。未来のことは全く分からない。

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子どものチャレンジ精神

昨日の中国偽ライオンのことで又々昔の事を思い出してしまった。今日はお盆休みなので孫たちが我が家に遊びに来た。5歳の男の孫が自分と一緒にお風呂に入りたいと言う。初めてのことだ。この子は運動神経が良さそうで、ゴルフも野球も素質がありそうに見える。最近は近所のスイミングスクールに通っていて、今一番のお気に入りはスイミングとのこと。お風呂の中でひとしきり会話して体を洗った後に、もう一度湯船に入りたいと言う。オーケーというと、ザッブーン。湯船に頭から飛び込んだ。そして湯船の中で何回も飛び込みをする。何か昔の自分を見ているような気分になった。考えてみると昔は個人の家に風呂などないのが普通だった。皆で近所の銭湯に行ったものだ。熱い浴槽と温い浴槽の間にはトンネルがあった。小学生になる前は、そのトンネルを潜ることが一人前になる証であり誉でもあった。自分は当然何回もトライして、そのトンネルを潜れるようになった。今5歳の孫が湯船の中でダイビングしているのは、まさに昔の自分がトンネルを潜ってトライしている姿と同じように見えてきた。出来ないことにトライするという子ども達のチャレンジ精神に拍手をしたい。

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ライオンとサンショウウオ

中国の動物園がアフリカライオンとして展示していた動物が、鳴き声で大型犬であることがバレテしまったというCNNニュースがあった。それをきっかけに昔のことを思い出した。自分が子供の頃の大昔の夏祭りでは、人魚の見世物があった。世にも不思議な手の指が4本、足の指は5本と客を呼び込んでいる。手の指が4本とはどういうことなのだろうか、はたまた人魚の足とはどこに生えているのだろうかと、興味津々で見世物小屋に入ってみた。これが人魚ですと見せてくれたのがサンショウウオだった。人魚とサンショウウオとのギャップにガッカリしたことと、サンショウウオの気持ち悪さにビックリしたことは今でも鮮やかに覚えている。これに較べれば中国のライオンは可愛いものだ。動物園の過ちは、ライオンはネコ科なのに犬を展示してしまったことかもしれない。いやアフリカライオンという名前の犬を真っ当に展示していただけかもしれない。文化の進歩が人間を成長させる出来事のような気がする。

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100点の意味

原発事故について、全く反省の色が見えない菅については一昨日のブログに書いた。政府は誰も反省しないのかと失望していたが、反省していると見られる部署もある。原子力規制委員会だ。原子力を推進する資源エネルギー庁と規制する原子力安全・保安院が同じ経産省にあることが問題となり、保安院は原子力規制委員会と名を変えて環境省の外局に移った。その委員長が、文科省がまとめた日本原子力研究開発機構の改革案を「100点と思っている人は誰もいない」と批判した。文科省の改革案とは、大量点検漏れ問題の高速増殖炉「もんじゅ」に、電力会社の出向者を多く登用し原発を運転管理する電力会社のような組織に改める案。一言でいうと、文科省は原子力推進と規制を一体で行おうという考えだ。これは失敗した経産省の考え方と全く同じで進歩の跡がない。委員長は、規制する安全部門は独立した組織にしろと言っている。委員長は「100点と思っている人は誰もいない」と婉曲に言ったが、内心では「誰だって0点だと思っているぞ」と呟いたに違いない。もし内心を公言しておけば委員長の責務に対する評価は100点を取れたろうにと思う。婉曲な言い回しだったので80点くらいだろう。まずは合格としよう。

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戦争の被害者は誰だ

毎年8月15日が近づくと中韓が騒がしくなる。新聞各社はそれを煽っているようにみえる。いつもこの時期になると、あの戦争の被害者は誰だったのだろうかと思う。戦争に負けた日本軍による被害者は、東南アジア諸国であることは間違いない。だが未だに日本に謝罪を求めているのは中韓だけで、その他の多くの国は日本の謝罪を受け入れ、既に過去のものとしているのが現実だ。最も実害の少なかった中韓だけが、お国の事情で日本を悪者扱いする教育を徹底しているようだ。更に日本のマスコミがそれに悪乗りしているというのが実態だろう。だが戦争の被害者は、東南アジアの人々だけではない。実は日本の殆んどの一般人も被害者であることは間違いない。今はいない両親や年上の人からは、当時の日本の軍隊が有無を言わせずお国のためと称して問答無用に戦争への協力を強制したが、誰も反抗出来るような状況ではなかったと聞いている。安倍首相は今年の靖国参拝をスルーするらしい。お国のために戦った人々を祀るのは当然のことだが、昨今の中韓との関係を考慮すればベターな選択ではある。しかし、ベストではない。日本の国の人々と日本の当時の軍隊のパワーバランスを明確にした事情の説明が必要だ。今の日本人は当時の日本人と心情は変わらない、軍隊という組織が日本人の意識を塗りつぶしてしまっただけなのだ、ということを。今こそ、日本人の誰しもが喉元とに引っかかっている小骨を取り去るべき時だと思う。

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事情聴取を拒否した理由

福島原発事故の対応で業務上過失致傷容疑で刑事告発されている菅元首相が、東京地検の任意事情聴取を拒否したとのこと。告発の内容は、菅の原発視察によりベント作業が遅れ水素爆発が起きて負傷者や被曝者を出したという容疑。菅が聴取に応じない理由は、政府首脳の災害対応で捜査機関の聴取に応じる前例を作れば、今後の危機対応に悪影響を及ぼす恐れがあるためだという。こういうのを正に屁理屈という。菅がもし自分は正しいと信ずるならば正々堂々と聴取に応じて真実を明らかにすべきだ。正しければ聴取など恐れる必要はないし、寧ろ積極的に応じる方が身の潔白を証明出来ることにもなる。聴取に応じないことが、疾しさを表している。また聴取に応じない理由自体も矛盾している。聴取に応じることこそ、今後の危機対応に良い影響を与えることになるのであって、悪影響を及ぼす恐れなど全くない。菅は民主党政権崩壊後の大反省会なるものをやったが、この時も全く反省の色もなく小沢の悪口に終始した内容のないものだった。菅は反省という行為を学ぶためにも、地検の事情聴取を受けるべきだと思う。

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星に願いを

ペルセウス座流星群が今夜から明日未明に見頃のピークを迎えるとのこと。この流星群は、1月のしぶんぎ座と12月のふたご座と並ぶ三大流星群の一つとして有名だ。毎年地球がスイフト・タットル彗星の軌道に近づく際、彗星から放出された塵が地球の大気圏に入り、摩擦熱で燃えて流星となって見えるらしい。その塵の大きさは、直径1ミリから数センチというからその小ささに驚きだ。今年は真夜中に月が沈むため月明かりに邪魔をされないし、全国的に天気が良い。更にこの猛暑だ。涼を求めるには夜中の屋外は最高の場になるかもしれない。去年のふたご座流星群は寒さの中キルティングを着込んで見上げたが、空が明るすぎて観ることは出来なかった。今回は条件が揃った。真夜中に北東の空にあるカシオペアの下にある放射点を見上げて観ようと思う。その前に流れ星に何を願うのかを考えねばなるまい。

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日本のいちばん暑い日

「日本のいちばん長い日」といえば、降伏を決定した1945年8月14日正午から玉音放送の8月15日正午までの24時間を指すらしい。自分は1946年生まれなので、その日を経験したことはない。だが今日はいちばんの日を経験した。今日は自分にとって「日本のいちばん暑い日」だった。朝から室内は31度もあり、日中は38度にもなった。そして夜も30度を切ることはなかった。一日中30度を切らなかったのは、東京では明治8年観測開始以来初めてとのこと。このところ連日猛暑が続いているので、夜中は窓を開けて暑さを凌いでいた。しかし今日の夜中は風もなく温度も下がらず、とうとう限界に達した。夜中にエアコンをつけた。冷風に当たり過ぎて風邪を引いてもいいやと思った。今日ほどエアコンの有り難さを感じたことはなかった。そこでリー・クアンユー元首相の「東南アジアの発展はエアコンが発明されたおかげ」という言葉を思い出した。「日本のいちばん暑い日」のお蔭で、初めてこの言葉の重みを知ることになった。

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829語の一長一短

中国がインターネットの個人書き込みでの使用を不可とする829語を通達したらしい。4万人のサイバーポリスなる者が取り締まるとのこと。この規制を中国外務省報道官は、若者をわいせつ情報から守るためとしているが、それはたったの1割。報道により分類方法が異なるので正確なことは言えないが、政治関連が8割、2割は政治家名だとかという説もある。政治家名には、胡錦濤とか習近平とか劉暁波とか小泉らが含まれているらしい。今の中国ではインターネットが行き渡っている。使い手は若者がメインであることは全世界共通。中国政府が若者を力で抑え込もうとしていることは間違いない。だが出来るのだろうか。何時の世でも、若者の唯一の特権は反抗精神にある。抑え込まれれば反抗する、それが若さというものだ。中国の若者も必ず反撃するはずだ。829語による今後の副作用は大きいと思う。若者は柔軟だ。たった829語を規制されたからといって、屁の河童だ、代替言葉は無数にあるのだから。結局829語通達は、中国政府の若者への敗北を意味していることになるのだと思う。若者を抑え込むことによって現体制を守るというお題目が、革新を目指す若者の可能性を解き放つことになりそうだ。そんな明るい未来が見えてきそうな気がした。

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誤報にも三分のメリット

昨日の夕方、関西で震度6弱から7程度の揺れを予想した緊急地震速報の緊急アラームが、関東甲信から九州までの広範囲で鳴り響いたとのこと。関東にいた自分の携帯は鳴らなかったので分からなかったが、西日本では瞬時に緊張が走ったようだ。新幹線は軒並みストップし、JRや私鉄で36万人に影響が出た。阪神・淡路大震災を上回る大きさなので覚悟を決めた人も多かったはずだ。だが予想した地震はマグニチュード7.8だが、実際は2.3であり、結局誤報だった。この誤報に対し気象庁は平謝りだが、良い面もあったと思う。東日本大震災の時は、空振りもあったが何回もアラームが鳴った。その都度地震が来る前に身構えることが出来るようになり、たとえ数秒でも地震が来る前に分かることは極めて価値があることを身を持って体験出来た。緊急アラームは有効なのだ。そして今回の誤報は交通機関や個人にとっても良い訓練になったと思う。そのうち本物の大地震が来た時に、今回の経験が役に立つはずだ。まさに真の籠った予行演習だったといえるだろう。更に良い事が一つある。気象庁は今回の誤報に懲りて、緊急地震速報の精度を上げるため一層の努力をするはずだ。地震の兆候を捉える技術は確実に進歩することになる。気象庁が狼少年にはならないことを願いたい。

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100切り目前

今年3回目のゴルフに行ってきた。月イチ程度のゴルファーでありたいと思っているが、今年は2度も腰を痛めゴルフもテニスも出来ない月があったので、3回目なのだ。今年の目標スコアはコンスタントな100切り。練習は週イチで100球程度。50球以上は7番アイアンでフォーム作りに充て、30球はSW、10球はユティリティ、残りの数球がドライバーと決めている。今日のスコアはジャスト100。残念ながら100切りには1打及ばなかった。いつもは初っ端のドライバーで躓くことが多い。ドライバーはダメ、アプローチはソコソコ、パットは問題なしがいつものパターンだ。ところが今日はドライバーが良かった。大きなミスがなく、殆んど狙った所にボールが飛んでくれた。ティーショットがいいと次打が楽だ。ところが飛距離が出ないのでグリーンには届かない。パー4のホールは3オンで良いと思っているので問題はないのだが、その後がいけない。アプローチがショートする。グリーン近くで数を叩くことになる。この余分な5~6打で100切りを逃してしまったと反省している。自分の課題が、フォーム作りからアプローチショットへと進化すべき段階に来たようだ。練習内容の変更も必要だ。どうやら100切りが目前に迫ってきた。

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キュリオシティの最大の成果は

ちょうど1年前このブログにキュリオシティが火星に着陸したことを書いた。凄いことをしたものだと思ったものだ。そして2年計画の内の1年が過ぎた。どうやら着実に成果を上げているようだ。かつて真水があったと思われる証拠を見つけ、火星がかつて生物が生息可能な環境だったことを確認した。地球から火星に向かう旅の間、キュリオシティは宇宙空間と太陽から浴びる自然放射線量を計測し、放射線が宇宙飛行士の生涯許容量を上回ることが分かり今後有人飛行には対策が必要であることが分かった。火星の大気には殆んどメタンが存在していないことが分かり、生命が生き延びるには厳しい環境であることが分かった。火星は火山岩や泥岩や鉱脈を持つ岩など多様に存在していることが分かり、過去の火星が異なった環境を経てきたことが分かった。たった1年でこれだけの成果を上げた。だが最大の成果は、無事に着陸し1年間も順調に探査活動を続けられたことと言えるだろう。あと残りの1年でどのような発見をするのだろうか。SFの世界であれば、火星を詳細に調査した結果、実は今の火星は昔の地球だった、というストーリーも有り得るのだが。リアルの世界のキュリオシティは、果たしてどのようなストーリーを1年後に伝えてくるのだろうか。

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食糧問題の救世主は

約3千万円のコストをかけたビーフバーガーが話題になっている。ペトリ皿の中で牛の幹細胞を培養した筋繊維を合成して人造肉を作りバーガーにしたとのこと。研究者はマーストリヒト大学の生理学者ポストで、研究資金の支援はグーグルの共同創始者ブリン。畜産は世界全体で温室効果ガス排出の18%を占め、氷結しない土地の30%を使用しているので、持続可能な方法で肉を生産する研究は価値があるとしている。だが何か違和感を覚える。金持ちの道楽のようにも見える。それとも研究に対する価値観が100年くらいズレているのかもしれない。見掛けも食感も味覚も天然のものと同じものを作ろうとするセンスが間違っているのだと思う。栄養素として動物性蛋白質を合成的に作るとか、牛肉と同じ食感や味覚を持つ植物性蛋白質を作るとか、一つの性能を追求する研究の方が人類の役に立つに違いない。もしこの研究が成功しても、それを食べた人間が「この人造肉は牛肉と同じだが、それが何なの」と言いそうだ。いずれにしてもこの研究が人類を救うことになることはなさそうだ。世界的な食糧問題の救世主になるかもしれない本命は、アンデスの穀物キヌアとか東大のユーグレナのような気がする。

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TPP反対議連のベース

日本の農業は衰退の一歩を辿っているのに、何故農協は政治力があるのか不思議だった。現に自民のTPP反対議連には200名以上の議員が参加している。総農家数は、1960年の600万戸から2010年には250万戸へと半分以下に減少し、農業就業人口は60年1500万人から12年250万人と実に83%減となっている。GDPに占める農業の割合は1%に過ぎない。そのたった1%が一大勢力になっているから不思議なのだ。農協の会員は、農業をしている人250万人、農業を止めたが会員の人250万人、准会員500万人の計1000万人。この1000万人が選挙で微妙なところで当落に関わるらしい。だから自民の米議員は農協を無視出来ないようだ。だが今の農協は、本来農家の為になるべき農協の役割は殆んど果たしていない。金融業が主体で政治を捻じ曲げる単なる圧力団体でしかない。日本の農業が今後発展するためには今の農協は寧ろ無くなった方が良い。アマゾンやコメリやアイリスオーヤマが農家に対し、農協よりも益になる事業を展開し始めたようだ。これを契機に後に続く企業が現れることを期待したいものだ。

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久々の屋上ビアガーデン

昨日は数十年ぶりに屋上ビアガーデンに行ってきた。テニス仲間の暑気払いとアメリカの友人来日の歓迎を兼ねた飲み会だった。いつもは閑散としているデパートなのに、土曜の為か屋上は盛況だった。幹事が要領よく予約をしておいたのでスムースに飲み会は始まった。予約をしていない人達は長い列をなして順番待ちの状況であった。昔のビアガーデンといえば、飲み物はビール、つまみは枝豆と焼き鳥と相場が決まっていたものだ。ところが昨今のビアガーデンは違う。飲み物だけでも、ワイン、焼酎、日本酒、ジュース、そしてビールは数銘柄も揃えている。勿論セルフの飲み放題。つまみは枝豆とプルコギだった。強か飲んだ後周りを見回すと、30~50歳代の人が殆んどだ。活気がある。何か分からない勢いを感じた。だがこのデパートはいつも閑散としているので、その活気さが異様に思えた。同時にこのデパートは何故いつも閑古鳥が鳴いているのだろうかと不思議に思った。工夫次第で集客は可能なはずなのに、どうして知恵を出さないのだろうかと。辿り着いた答えはテナントだ。このデパートはテナント貸し商売がメインのようだ。客はテナントのネームバリューが呼ぶとでも考えているのだろう。知恵の出せないビジネスモデルには明日はないとも思った飲み会であった。

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基本構想のない会議

政府の経済財政諮問会議が示すべき事は、2020年度プライマリーバランス黒字化への道筋を描くことだったはずだ。ところがこの件には一切言及なく、当面の2015年度の目標達成に終始してしまった。だが2015年度の目標と言っても、消費税を上げればこうなるという、誰でも描ける近未来図にしか過ぎない。この会議の最大の欠点は、将来の社会保障や税の体系を考えるための基本構想が描かれていないことに尽きる。衆参ともに保守が過半数となり、保守はここ数年はやりたいように出来る環境が整っている。今こそ未来を描き主張すべきときなのにと思う。社会保障制度改革国民会議は高齢者医療の1割特例割引を廃止するよう提案した。凄いと思ったがよく読むとそうではない。今恩恵を受けている70歳以上には適用せずに、その下の年から適用するという不甲斐なさだ。先送り先送りして若者への負担は増すばかりだ。

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まるで疑惑の総合商社や

脱税の罪に問われていたベルルスコーニ元首相の有罪が確定した。禁錮4年の刑だが高齢のため収監されず自宅監禁か社会奉仕を命じられる見通しらしい。ベルルスコーニは建設業から身を起こし、放送事業で財を成した企業家としても有名だ。ACミランのオーナーでもあり、総資産約80億ドルの世界有数の大富豪でもある。政権担当期間は9年もあり戦後イタリアの最長記録保持者でもある。陽気で饒舌で、物議を醸した発言は枚挙にいとまがないほどだ。だがベルルスコーニの真骨頂は、疑惑の多さだろう。脱税はもとより、買収、収賄、不正経理、不正購入、横領、麻薬密輸、マフィアとの癒着、未成年少女買春等々、人殺し以外の悪はやり尽くしたようだ。彦摩呂流に言えば「まるで疑惑の総合商社や」といえる。係争中の裁判がまだあり、今後刑罰が積み上がっていくのかもしれない。それでも労働者階級に絶大な人気があるという。ベルルスコーニが大物過ぎるのか、イタリア人は底抜けに度量が大きいのか、まるで異次元の世界を見ているようだ。

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安定雇用が解雇促進に

雇用の安定を図るため改正された労働契約法が、目的とは裏腹に雇用の安定を奪っている。今年4月から有期雇用期間が5年を超えれば、本人の希望で無期雇用に転換出来るようになった。働く側から見ると雇用が安定するが、雇う側から見ると人を簡単に切れなくなる。働く側は従来通り働いていれば自動的に無期雇用に移れるので、今以上に仕事に力を入れられる。ところが雇う側が対策を打ち始めた。5年で雇止めすると契約に盛り込んだ。これにより5年後には確実に解雇されることになる。非正規社員が大半を占める現状では、解雇促進法ともみえる。特にこの影響を受けているのが大学の非常勤講師だ。今までは毎年契約を更新するものの、長期間継続することが可能だった。しかし5年後には必ず失職することになる。先がなければ講義に身も入るまい。悪循環だ。何故、雇用の安定を目的とした法律が解雇を促進することになってしまうのだろう。その原因は、政治家の会社経営への無知と官僚の親方日の丸意識だろう。解雇も倒産もない官僚に雇う側の心が読めるはずがない。立法には常識のある人の関与が欠かせない。

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