仔猫たちの探検

義母が野良猫に餌をやり初めて1年ほど経った。ネグラは近所の家の軒下だが昼間は我が家へ食事にやって来る。義母がシロと名付けた。シロは可愛い声や眼で挨拶するが、決して触らせはしない。野良猫の本性なのだろう。数か月前そのシロに2匹の子供が産まれた。子供たちはネグラの家の門までは顔を見せるが、なかなか道路までは出なかった。ある日シロが我が家の庭で鳴いている。子供たちをネグラの家から我が家まで探検するよう呼んでいるのだ。その様子を2階からそっと見ていた。初日はいくらシロが呼んでも、中間地点まで来たが逃げるように引き返してしまった。子供にとってはハードルが高いのだろう。何日か経ってシロがまた呼ぶと子供たちが、やっと我が家に辿り着いた。しかし着いたと同時に一目散に帰って行った。それを繰り返した後、子供たちも我が家の庭に慣れたようだ。朝、門まで新聞を取りに行くと時々3匹が庭にいるのを見かけるようになった。どうやらシロは義母とカミサンに我が子を見せて自慢したいようだ。子供たちも我が家の庭に慣れたせいか滞在時間が長くなってきた。義母とカミサンはシロ一家の来宅に大喜びだ。義母は仔猫用の餌を与えるべきか悩み始めた。悩みとは尽きないものらしい。