GゼロとPゼロ

日経新聞のDeep Insight小竹洋之コメンテーターの記事「多党化時代の閉塞 指導力欠くPゼロの政治に穴を開けよ」が目に留まった。PゼロのPとは何だろうかと思ったからだ。米調査会社ユーラシア・グループが2025年の世界10大リスクのトップに「Gゼロ」の勝利を挙げている。グローバルな課題への対応を主導する意思と能力を持ち、国際秩序を保つ国家やその集まりGroupを欠く状態が深刻化すると見ている。世界は確かにGゼロの様相を呈している。米国はトランプの下で内向き志向を強め、民主主義や法の支配、自由貿易の守護者としての責任を放棄しつつある。片や政治・経済の基盤が脆弱な欧州や日本に、国際統治の空白を埋めるほどのパワーはない。同社は「Gゼロの概念は、日本の政治を考えるうえでも有用だ」と説いている。日本は、長く政権を担ってきた政党Partyが弱体化するばかりか、これに取って代わりそうな政党も現れず、指導力の欠如に苦しんでいる。まさに「Pゼロ」だと指摘する。海外の世論調査によると、日本の主要政党に対する国民の不満は予想以上に強い。最大与党と最大野党がともに好ましくないと答えた成人は過半数にのぼるのだ。年収の壁の引き上げや、給付付き税額控除の検討などにはこぎ着けても、本格的な成長戦略や少子化対策、社会保障改革がおろそかになりかねないとも指摘している。自民党の内部でブラックボックス化されていた政策論を、他党との開かれた協議で可視化出来れば一大前進になる。連立協議は、もっと長く、深掘りすべきだと思う。