老兵は消え去るべし

遂に永守重信ニデック創業者が2000年代前半に掲げた「2030年度に売上高10兆円」という方針が軌道修正されることになった。昨年就任した岸田社長がより現実的な中期経営計画を打ち出し、従来の方針と異なる10兆円は無理という路線を採用したからだ。永守と言えば、ワンマン経営者の典型例だ。次代の経営を任せるため、次から次へと大物を引き抜き、あれよあれよと言う間にクビを切ってきた。最近では、牧野フライス買収を主導し失敗した荒木最高M&A責任者のクビも切った。でも、今年の株主総会で永守は経営方針の急転換を認めた。これは何を意味するのだろうか。単に経営方針を転換することだけではない。経営哲学の刷新、組織体制の再編、企業文化の転換といった、より構造的な変化と捉えるべきだろう。ワンマンから集団体制へと移行することを意味するものだと思う。ワンマンはイケイケの時はカリスマだ。でも、それが過ぎると、ワンマンは害になる。ニデックの方針転換は、害を取り除く解毒作用と言えそうだ。老兵は消え去るべし。