ナイ・ハーバード大名誉教授は1990年代にソフトパワー理論を提唱した。映画や音楽などの文化や価値観、対外援助などには、軍事力などのハードパワーにも劣らない影響力があると説いた。パワーとは、他者を自分の望むように動かす能力のことだ。3つの種類がある。威嚇による強制、金銭的な報酬、そしてソフトパワーだ。ソフトパワーとは、他者を魅了することによって自分と同じように動かす力のことを指す。ソフトパワーを構成するのは、その国が持つ文化、国内社会の状況、そして政治政策や外交方針の3つだ。米国では伝統的に文化や政治、外交などの場面で、市民社会が大きな役割を果たしてきた。パワーの源泉は政府ではなく、大学や財団、非営利団体などにある。米国第一を掲げるトランプ政権の下で、米国のソフトパワーが低下している。米国への信頼が低下しているのだ。最近、トランプの横暴さに喝采する米国民と、一方反対もしないで横暴さを許している米国民にも失望している。とても信頼出来る国民とは思えなくなってきた。むしろ軽蔑しているとも言える。
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