日本のお米が美味しい理由

日本のお米が美味しい理由が「日本文化の核心:松岡正剛:講談社現代新書」に書いてある。アジアの稲はジャポニカとインディカとがある。ジャポニカは短粒で、加熱すると粘りの出る日本型の米で、脱穀したのち炊いて調理する。インディカは長粒で粘りが少なくインド型の米で、炊くのではなく、煮て調理する。稲作には大きく2つの方法があり、水田で栽培する水稲と畑で栽培する陸稲がある。その水稲栽培にもいろいろな方法がある。古代中国では直播きで天然の降水で育てる天水農業が中心だった。日本の場合は稲が育ちざかりのとき長梅雨などに見舞われ、収穫間近になると台風などに見舞われることが多いため、まず種籾から苗代で苗を作り、幼弱な芽をあらかじめ強く育てておいて、それをあらためて水田に植えかえるという育て方が中心になった。稲作のプロセスに苗代を挟んだことは、日本の画期的なイノベーションだった。著者は「苗代」をつくったことが日本のお米を強くもし、豊かにもし、また美味しくしていったのだと思っているとのこと。手間を掛けて美味しく育った日本のお米は輸出に向いている。中国に約12,000トン、米国に7,000トン、シンガポールに6,000トンも輸出されている。もっと大幅に輸出を増やすべきだと思う。