野菜の価格高騰を止めるには

コメや野菜の価格高騰が止まらない。2000円で買えた5kgのコメが4000円になった。1000円のキャベツも現れた。坂爪北大大学院教授は「小売業者も消費者も低価格に安住してきた。我慢してきた産地は低価格に戻りようがない」と指摘している。農産物価格の上昇の背景にある短期的な要因は需給の逼迫だ。そして中長期的な要因は、生産資材の価格上昇や人手不足による人件費の高騰だ。生産者はこれまで、コストが上昇しているのに価格転嫁ができずに我慢してきた。スーパーの価格交渉力が強過ぎるからだ。だが、昨夏のコメ不足でその状況は変わり、消費者に「値段はいくらでもよいからコメを買いたい」というスイッチが入った。「壁が壊れたので、もう下がらない」と指摘する。そこで2つの提案がある。1つは、食料品の消費税を大幅に下げること。出来れば0%が良い。もう1つは、スーパーではねられた規格外品を大手スーパー以外に流通させることだ。一般庶民は形綺麗なキュウリなど望んでいない。大手スーパーが野菜の低価格化の足枷になっているのは間違いない。