ビタミンDは免疫の万能薬

東京慈恵会医科大学の調査で、日本人の98%はビタミンD不足であることが判明したとのこと。ビタミンD不足と言えば、反射的に「くる病」が思い浮かぶ。でも、今では背むしは殆ど見掛けない。ビタミンD不足による現在の代表的な症状は骨粗しょう症だ。ところが、最近の研究によると、ビタミンDは「骨の健康」だけではなく、免疫機能のバランスを調整し、過剰な免疫を抑える役割があるという。新型コロナや細菌などの感染症を防御する粘膜の免疫にも有効とのこと。ビタミンDの血中濃度が高い人はコロナの陽性率が低いというエビデンスもある。インフルエンザや花粉症にも効果有りとのこと。心筋梗塞、動脈硬化といった心血管疾患のリスクを下げることにも関係している。ビタミンDのサプリメントを毎日取り続けた人は、がんによる死亡率が12%も減少していたというデータも有る。ビタミンDは免疫の万能薬とも言えそうだ。ビタミンD不足を解消するには、日光を浴びることと食物摂取とサプリだ。せっせとサケやイワシなどの魚に多く含まれるビタミンD3と、干しシイタケやキクラゲなどに多く含まれるビタミンD2を摂ることだ。そして日光を充分浴びれば皮膚でビタミンDが生成される。でも、ビタミンDだけを摂れば良いという訳ではない。栄養素はそれぞれ相関関係があって、チームワークで働くものだ。ビタミンDを増やすよう常日頃心掛けることが大切だ。