2周遅れの中国EVバッテリー

EV販売車数でテスラを抜いて中国のBYDがトップに躍り出た。BYDが日本で販売するEVバッテリーに、毒性を有する六価クロムが使用されていたことが判明し、全国に騒動が広がっている。同じクロムでも三価は自然界に広く安定して存在し、サプリメントに使用されるほど比較的安全だ。だが、六価は強い酸化能力を持つ不安定な物質で毒性を持つ。六価クロムを廃棄するには、還元剤によって三価クロムに変換し無害化する。六価クロムの使用は、日本の法律では禁止されておらず、中国でも欧米でも同基準で使用が許可されている。但し、日本自動車工業会JAMAは自主規制している。事実、日野自動車は発売予定だった小型EVバスの発売を取り止めた。米国でも六価クロムを使用しているBYDのEVバスへの補助金を停止した。毒物は使わないのが世の流れだ。中国は1周遅れになっている。でも、六価クロム問題に対しBYDは、トヨタ社長の豊田JAMA会長と日本政府がグルになってBYD叩きをしていると非難している。中国のEVバッテリー生産数は世界トップだが、環境対策は2周遅れのようだ。