閣議決定って

岸田政権が、戦後の安全保障戦略と事故後の原発活用を大転換した。専守防衛を敵地先制攻撃可能に変えたのだから、憲法を無視しての天地がひっくり返る程の大転換だ。エネルギー価格が高騰しているとはいえ、今後原発を積極的に活用するというから、これも大転換だ。しかし、この大転換に関し、国会で議論したことも無いし、国民には寝耳に水。岸田はこの大転換を「閣議決定」で決めてしまったのだ。閣議決定するには、全閣僚の同意が必要だ。だが、もし同意しなければ閣僚の首をすげ替えるだけ。閣議決定とは、事実上首相の一存で決めてしまうものなのだ。この悪しき慣習はいつから重用されるようになったのだろう。思い起こせば、安倍元首相の十八番だった。モリカケ問題のときは「首相夫人は私人である」ことを閣議決定した。今から見ると、たわいない決定内容だった。ところが、岸田は安倍のやり方を踏襲した。国葬の決定で、味を占めたのだろう。国葬決定のとき、国会は閣議決定の定義を議論すべきだったと思う。その責任の一端は野党にある。野党が無能ゆえ、岸田の暴走を許していると言える。