異次元の子供予算

岸田首相が年頭会見で「異次元の少子化対策」なるものを打ち出した。子供予算を6月に倍増するという。でも、中身は無い。如何にも岸田らしい表明だ。日本の子供予算は、諸外国の半分程度しかないのが現状。これを諸外国並みにするだけなのに、何と「異次元」という文言を使う。岸田は何処かがずれている。でも、よくよく考えてみた。ひょっとすると、岸田は「現状の子供予算が異次元に低いので、低い異次元の子供予算を同次元に戻す」と言いたかったのかもしれない。ま~そんなことはあるまい。事実、岸田は関係省庁による検討会を設置するよう小倉こども政策担当相に指示した。月内に初会合を開き、3月末をめどに「たたき台」の取りまとめを目指す。財源については、6月の経済財政運営の指針「骨太の方針」で示すと悠長だ。防衛費の財源確保に較べ、子供予算の財源確保には腰が入っていない。「異次元」という表現と財源確保先送りが、岸田のスタンドプレーぶりを匂わせている。