地方創生の手本

熊本県が半導体工場の一大集積地になろうとしている。最先端の半導体と最大の生産量を誇る台湾積体電路製造TSMCが、既に熊本に工場を作ることを決めている。台湾有事に備えて半導体を確保するため日本政府が誘致した。今度はソニーが画像センサーの工場を建設するとになった。ソニーはTSMCから半導体の供給を受けて、センサーの一貫生産体制を構築する予定とのこと。それにしても何故熊本県なのだろう。1つは水。半導体製造には欠かせない、きれいな阿蘇伏流水が多量にある。1つは土地。工業用地は東京の20分の1と格安だ。更にもう1つは半導体製造装置やFPD製造装置などの開発や設計、製造を手掛ける東京エレクトロン九州が、すでに進出。熊本県内の半導体に関連企業・工場は数百社にものぼる。熊本県が半導体一本にしぼって積極的に誘致した成果だ。更に、熊本大学では「工学部半導体デバイス工学課程」を開設し、半導体関連エンジニアを育成する。まさに、県が一丸となって半導体立国を目指している。目の付け所が素晴らしい。地方創生の手本と言える。