インボイス制度の行方

2023年10月からインボイス制度が施行される。2016年に消費税が10%に増税された時、公明党の圧力で8%の軽減税率が導入された。軽減税率の導入と同時に、消費税の複数税率制度の下において適正な課税を確保するためという理由でインボイス制度の導入が決まった経緯がある。公明党は、軽減税率を導入させるためにインボイス制度の導入を飲んだという構図だ。インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除の方式の一つで、課税事業者が発行するインボイス(請求書など売手が買手へ、正確な適用税率や消費税額等を伝える請求書)に記載された税額のみを控除することができる制度のこと。反対にインボイスの無いものは控除の対象外となる。ところが、このインボイス制度自体が曲者だ。課税事業者になると事務作業が大幅に増える。ならなければ免税が無くなるので消費税額が大幅に上がる。いづれにしても増税になる。概念は簡素だが、対応は複雑だ。しかも、対象は売り上げ1000万円以内の零細事業者だ。今になって漸く政治家や事業者が騒ぎ出した。現状の無理解の中での施行は混乱を引き起こすに違いない。数年は延期すべきだ。しかし、既に法律化されている。延期出来るのは岸田首相しかいない。さて、岸田は如何に決断するのだろうか。